高級車メーカーの次世代開発競争から目が離せない メルセデスス、ポルシェ……

高級車メーカーの次世代開発競争から目が離せない メルセデスス、ポルシェ……

高級車メーカーが続々と新作の開発に乗り出している。

伝統あるるブランド価値やと本物志向を追及しつつ、需要に見合ったテクノロジーを巧みに取り入れる次世代開発競争が激化している。

メルセデスが開発した価格200万ドルの競艇用ボート「515 Project One」や、ジャガー史上最強のレーシング車「ジャガー・Dタイプ」の再現モデル、ロールス・ロイス「 ファントム 」のSUV、ハーレーダビッドソンの電気バイク「LiveWire」など、2018年話題を集めること間違いなしの至高の新作を紹介しよう。

(1)メルセデス——世界で最も優雅な競艇用ボート「515 Project One」

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(画像=メルセデスAMGサイトより)

2018年2月、マイアミで発表されたメルセデスの最新ボート。長年にわたり提携してきたシガレット・レーシングとの共同開発で、F1エンジンを搭載したメルセデスのスポーツ車「Project One」をモチーフにしている。

シルバーの車体に洗練されたデザインが映えるProject One同様、シャープで近代的なイメージを前面に押しだしているが、高級感やブランド名だけを売りにした飾り物ではない。2基の「マーキュリー・レーシング1550/1350QC4v」を搭載し、最高出力1300馬力、最高速度225km/hという脅威的な性能を誇る。

全長156メートルのボディーにはカーボンファイバーとEグラスファイバーを使用。12インチのHDタッチスクリーンやBluetooth、高性能のオーディオシステムなど、デジタル機器も充実している。

両社はこれまでに「SLS」や「Vision GT Concept」など、メルセデスの車をモチーフにしたボートを手掛けてきたが、その中でも「515 Project One」は最も速く、最も高度な最高傑作となる。

この6人乗りの高級ボートの価格は200万ドル。製造台数は決まっておらず、顧客の注文に応じて製造する(ブルームバーグ2018年2月15日付記事 )。

(2)ジャガー——最も美しいレーシングカー「ジャガー・タイプD再現車再現車」25台限定

ジャガーは新型ジャガー・Dタイプを今年2月、パリで開催されたクラッシック車イベント「サロン・レトロモービル」で披露。

1955〜57年にかけてル・マン 24時間耐久レースで3度も優勝したジャガー・タイプDを、緻密に再現している。イベントに出展されたのは1956年型のロングノーズ型だが、1955年型のショートノーズを注文することも可能だ。

製造台数は25台限定。ジャガー・ランドローバー・クラッシックのディレクター、ティム・ハニング氏 が「ジャガー史上最も象徴的で美しいレーシングカーのひとつ」と称えるジャガー・Dタイプの再現車の価格は、140万ドル以上になりそうだ。

ジャガーはこれまでに「XKSS」や「Lightweight Eタイプ」の再現も行ってきたが、そこから学んだ多くの教訓が、ジャガー・Dタイプの再現に役立ったという。コベントリーで製造を開始し、年内の出荷を予定している。

(3)ハーレーダビッドソン——組織復興を賭けた電気バイク「LiveWire」

米国を象徴するオートバイ・ブランド、ハーレーダビッドソン。伝統を重んじるスタイルがある意味「保守的」と受けとめられてきたが、自動車産業に押し寄せる次世代技術開発の波に乗り、電気バイクの製造・販売で新開地を目指している。

今年1月、マット・レヴァティッチCEOは、数年前から進めているEバイク開発「Project LiveWire」の一環として、同社の次世代バイクを2019年中旬までに発売する意向を明かした(ブルームバーグ2018年1月30日付記事 )。

完成品が2014年に発表した「LiveWire」の試作品の延長線上にあると仮定すると、電気で走っていると想像がつかないほど、力強い走りが期待できるはずだ。

市場調査企業テック・ナビオは、従来のバイクの売上が年々落ち込んでいるのとは対照に、電気バイクの需要は2020年までに45%伸びると予想している。昨年第4四半期には売上高が11%落ち込むなど、過去数年、需要低迷に苦しんできたハーレーダビッドソンにとっては、生き残りをかけた正念場となりそうだ。

(4)ロールス・ロイス——ファントムSUV、今夏公開?

高級自動車の最高峰ロールス・ロイスの「ファントム」。フルモデルチェンジした8代目を発表したばかりだが、SUVの公開を今年夏に予定していることが内部関係者の証言から明らかになっている。自動車情報サイト「オートモーティブ・ニュース」2018年1月24日の報道 によると、一般人向けに大々的に披露するというものではなさそうだ。

ファントム自体は50万ドルを軽く超える超高級車である。そのファントムと同じV型12気筒エンジンを搭載した、大胆さと優雅さを象徴する史上最高級のSUVが完成するのだろう。販売は年内開始、出荷は来年以降を予定している。

ロールスロイスは昨年、世界最高級の2人乗りクーペ「スウェプテイル」も発表。1300万ドルという驚異的な価格で世間を驚かせた。

(5)ポルシェ——完全電気自動車「ミッションE」に続く「992」

ポルシェの名作と称される「911」。その次期モデルのプロトタイプ車画像が、今年2月に公開された。8代目となる新型は「992」という開発コード名で呼ばれているが、フラット6エンジンやフィードバック性能は911のスタイルを継承するという。

ポルシェは1月、同社初の完全電気自動車「ミッションE」 を完成させており、922も電動パワートレイン採用の可能性が報じられている。

先行の「パナメーラ・ハイブリッド」は既にパナメーラシリーズの売上の6割を占める水準に成長していることから、ミッションEも大成功をおさめるとポルシェは確信している。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)


Source: 株式投資
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