「宇宙関連事業」に投資する大富豪10人 ゲイツ氏、ザッカーバーグ氏ほか
「宇宙関連事業」に投資する大富豪10人 ゲイツ氏、ザッカーバーグ氏ほか
宇宙関連事業が活発化する中、商業用宇宙関連スタートアップ数は2009年を境に急増。宇宙関連投資ネットワーク「Space Angels」のデータによると、資金調達に成功した独立系スタートアップは、2009〜2015年で33社から225社に増えたという。
「宇宙のロマンを追求する」という新たな投資の機会は、世界のビリオネア(資産10億ドル以上)にとっても魅力的だ。世界の大富豪500人のうち16人が宇宙関連事業に投資している(ブルームバーグ2017年8月21日付記事)。 ビル・ゲイツ氏やジェフ・ベゾス氏、マーク・ザッカーバーグ氏など、宇宙関連事業に投資している大富豪10人をご紹介しよう。
1.ビル・ゲイツ——次世代衛星システムのKymeta
2012年シアトルで設立されたKymetaは、広帯域衛星通信のなかでも特に移動体応可能な次世代衛星システムを開発している。
ゲイツ氏はベンチャーラウンド(2014年12月総額2000万ドル調達)とラウンドD(2016年1月総額6000万ドル調達)の2回にわたり、Kymetaに出資。
2.ジェフ・ベゾス——自ら立ち上げたロケット会社Blue Origin
少年時代からの宇宙への憧れが募り、とうとう自分のロケット会社Blue Originを立ち上げたAmazonのベゾスCEO。2017年12月には乗員を宇宙に運ぶために開発された「Crew Capsule 2.0」が、初飛行に成功している(TechCrunch2017年12月13日付記事 )。
2011年シアトルで設立された。CBインサイツのデータによると、個人投資家はベゾス氏のみで、あとはNASAや米空軍が投資している。
3.イーロン・マスク——2019年前半に火星を目指すSpace X
PayPalやTeslaで旋風を巻き起こしたマスクCEOは宇宙ブームより一足早い2002年、カリフォルニアで宇宙船輸送業務を手掛けるSpace Xを設立した。
2018年2月には初の大型ロケット「Falcon Heavy」の打ち上げに成功。2019年前半を目途に火星を目指す巨大ロケット「BFR」の打ち上げも計画している(CNBC2018年3月11日付記事)。 マスクCEO自身は2006年3月のシードラウンドで 10万ドルを投資しているほか、Googleやフィデリティ・インベストメンツなど大手が資金調達ラウンドシリーズE(2015年1月総額110億ドル調達)に参加した。
4.マーク・ザッカーバーグ——地球外知的生命体探査プロジェクト「SETI」
FacebookのザッカーバーグCEOは、2018年3月に他界したばかりの天才物理学者スティーヴン・ホーキング博士やロシアの大富豪ユーリ・ミルナー氏とともに、超高速小型探査機「ナノクラフト」を開発し、太陽系以外の惑星および生命体を探索する地球外知的生命体探査(SETI)プロジェクトに投資している。
5. ラリー・ペイジ——小惑星鉱業を目指すPlanetary Resources
AlphabetのペイジCEOは小惑星鉱業を目指すPlanetary ResourcesのシリーズA(2012年1月総額未公開)に、同じくAlphabetのエリック・シュミット会長などとともに参加。
Planetary Resourcesは2010年、シアトルで設立され、2012〜16年までに総額5003万ドルを調達している。
6.リチャード・ブランソン——宇宙旅行ビジネスVirgin Galactic
国際コングロマリット、ヴァージングループを率いるブランソン会長は、宇宙旅行ビジネスVirgin Galacticを2004年、ニューヨークで立ち上げた。
2014年に副操縦士が死亡するという悲劇的な事故から3年間、動力飛行テストを中断していたが、2017年にテストを再開(TechCrunch2017年7月5日付記事 )。同年3月にはVirgin Orbitという衛星打ち上げ・ロジスティクス子会社も設立している。
Virgin Galacticへの投資データは非公開だが、サウジアラビアが10億ドルの出資を検討していることなどが報じられている(テレグラフ紙2017年10月26日付記事 )。2012年10月にはカリフォルニアの宇宙船製造メーカーThe Spaceship Companyを買収した。
7.李嘉誠——海洋データ・プラットフォームWindward
「フォーブス大富豪ランキング」23位、純資産354億ドル(2018年3月16日データ)という香港一の大富豪李嘉誠氏。香港最大の企業集団・長江実業グループ創設者兼会長が投資する宇宙事業は、テレアブで2010年に設立されたWindwardだ。同社は船舶から海洋データを収集するプラットフォームを提供している。
同氏は2015年、自身が設立したHorizons Venturesを通して、シリーズA(2015年4月総額1080万ドル調達)を投資。
8.馬化騰——民間企業初の月への渡航許可を取得したMoon Express
騰訊(テンセント)の急成長で、「フォーブス大富豪ランキング」世界17位、中国1位となった馬化騰CEO。2010年にフロリダで設立されたMoon Expressに投資している。
Moon Expressは民間企業として初めて月への渡航許可を政府から取得した企業で、Googleがスポンサーを務める、民間による最初の月面無人探査を競うコンテスト「Google Lunar XPRIZE」 にも参加。
馬化騰氏は騰訊のベンチャー部門Tencent Holdingsを通し、シリーズB(2014年9月総額1650万ドル調達)で出資している。
9.10. シェルドン・アデルソン、リン・シュスターマン——「イスラエル初の月面着陸」を目指すSpaceIL
カジノリゾート企業ラスベガス・サンズのシェルドン・アデルソンCEOや慈善団体チャールズ・アンド・リン・シュスターマン・ファミリー・ファウンデーションのリン・シュスターマン会長は、テレアブの非営利団体SpaceILに投資している。
SpaceILは「イスラエル初の月面着陸」という使命の元、2010年にされた。2014年4月の資金調達ラウンドでは総額2240万ドルを獲得している。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)
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Source: 株式投資