どうする遺産整理。不安な方は金融機関に相談を
どうする遺産整理。不安な方は金融機関に相談を
相続手続きには面倒な印象を持つ人も多いのではないでしょうか。また、お金は親族でもあまり詳しく話すことのない繊細な話題だからこそ、相続が発生してもどこに遺産があるか分からないという問題が発生することがあります。家族であっても、遺産となる預金口座がどこの銀行にあるのか、どの不動産が遺産なのかを正確に把握していることはまれです。結果、相続手続きができずに放置されてしまうことも少なくありません。
日本には、相続人が口座の存在を知らず、相続手続きができなかった休眠預金や相続人が相続手続きを忘れた空き家が多く存在し、相続の際にトラブルに陥ることもしばしばあります。
せっかく預金したのに、相続人になった子供や孫が「遺産はどこにあるの?」と困ってしまっては大変です。相続では「相続する側(相続人)」と「遺産を渡す側(被相続人)」の双方が意識して準備をすることが重要です。
遺言書はありますか?
相続人が相続発生後すぐにしなければいけないのは、遺言書を探すことです。遺言書には「自筆証書遺言」や「公正証書遺言」など、いくつかの種類があります。遺言書の種類によっては、裁判所で「検認」という手続きを受けなければいけません。
例えば、公正証書遺言は公証役場で公証人に手伝ってもらい作成するため、検認手続きは不要です。対して自筆証書遺言は自分で作成する遺言書ですので、相続発生後に裁判所で検認を受ける必要があります。
相続発生後はまず遺言書の有無を確認しましょう。
なお、誤解されがちなものに「エンディングノート」があります。エンディングノートは遺言書と異なり、法的な効力はありません。ただし、近年、エンディングノートも、死後に希望を残す方法として広く使われるようになっています。被相続人の財産処分の希望や財産目録などの記載があった場合、相続手続きをするための大切な資料になります。
遺産の「手がかり」はありますか?
預金口座のある銀行が分からなければ相続手続きのしようがありません。「どこ」に「どんな」遺産があるのか把握することが遺産整理の第一歩です。遺産整理をする前に遺産のありかを明確にして、手続きが必要なものをリストアップしておくと効率的に手続きの漏れがなく相続を進めることができます。
被相続人が遺産を整理する上で大切なことは、遺産がどこにあるかの手がかりを残しておくことです。子供や孫に遺産を相続させる被相続人は、エンディングノートに所持している不動産や口座についてまとめておくと相続する側がスムーズに手続きできます。
不動産であれば、固定資産税評価証明書や固定資産公課証明書、名寄帳を頼りに探すことができます。難しいと感じたら、弁護士や司法書士に相談し、探してもらうのも有効な方法です。
どんな相続手続きでも必要な戸籍謄本
相続発生後は、相続に必要な書類が自宅にそろっているかを確認しておくことも重要です。被相続人は不動産の権利証や登記識別情報などを一ヵ所にまとめておくと、相続人の手続きをスムーズにする助けになります。
不動産の権利証や登記識別情報が見つからない場合でも、司法書士に相談すれば不動産の相続手続き(相続登記)は可能ですが、権利証が手元に存在するケースよりも手続きに時間がかかります。残っている重要書類の種類、有無によって相続手続きに必要な時間や手間は変わってくるので、常日頃から整理整頓を意識しておきたいものです。
また、相続手続きをするには「戸籍謄本」が必要になります。戸籍謄本は基本的に「被相続人が生まれてから亡くなるまで」の分が必要になります。被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍を確認し、相続人が誰になるのかを金融機関や登記所(法務局)が確認するからです。
複数の自治体から戸籍謄本を取得するケースもあり、戸籍謄本の取得は相続手続きの中でも非常に手間がかかります。弁護士や司法書士に相続手続きを依頼すると、必要な戸籍謄本の取得も代行してくれます。専門家に一任してしまえば、時間のロスや失敗はないでしょう。
最後に
相続手続きは面倒なものです。たくさんの書類を準備し、財産に応じて必要な手続きをしなければいけません。しかし、被相続人になる側が
・財産がある場所を明確に分かるようにしておく
・重要な書類は大切に保管しておく
・相続人となる側が遺産整理をする前に遺産の在り処をはっきり掴んでおく
以上のことに留意すれば、煩雑な相続手続きをスムーズに進めることができます。
遺産整理は相続発生後に始めるのではなく「相続前から始めること」がポイントでしょう。疑問点や不安があれば専門部署のある金融機関に相談しておくことも、スムーズな遺産整理のためには重要なことです。(提供:プレミアサロン)
Source: 株式投資