高利回りでも要注意!ワンルームマンションに潜むリスクとは
高利回りでも要注意!ワンルームマンションに潜むリスクとは
家賃収入が比較的安定しており、かつ他の投資と比べ、高利回りが期待できるのがワンルームマンションです。不動産投資の中では投資額も低く、高い流動性、経営管理が比較的容易なことなど、さまざまな観点から投資案件としての魅力にあふれています。そのため、ワンルームマンションへの投資は、数ある不動産投資の中でも幅広い層から人気を博しているのです。
一方で、高利回りという点だけで判断し、安易にワンルームマンションへ投資するのは危険という一面もあります。表示されている利回りがいわゆる「実質利回り=(賃収入-諸経費)÷物件購入価格」ではなく、「表面利回り=家賃収入÷物件購入価格」であることが考えられるためです。広告用の表面利回りにはあらかじめ注意したいものです。
また、ワンルームマンションに潜むリスクはそれだけではありません。たとえ、実質利回りが高かったとしても、それはあくまで入居者がいた場合の話です。もし、何らかの理由によって入居者がつきにくい物件だったとしたら、高い利回りも机上のものとなってしまいます。それでは、試算した通りの収益をあげることはできません。では、ワンルームマンションを購入する際には、どのような点に着目すればいいのでしょうか。
「新築」「高利回り」の物件でも手放す人がいる理由
不動産投資を行う人にとって、「新築」や「高利回り」というキーワードに反応する人も多いことでしょう。他の条件が同じであれば、新築は築年数が経過している物件より入居者がつきやすい傾向にありますし、高利回りの物件はそもそも投資対象として優秀と評価されるためです。ただ、そのような物件であったとしても、購入後のマンション経営がうまくいかず、不本意にも手放す投資家はいます。
では、なぜ新築や高利回りの物件を手放してしまうことがあるのでしょうか。その理由は、投資対象の物件はさまざまな指標を総合的に勘案して評価されるためです。たとえば、いくら新築の物件であったとしても、立地が悪ければ入居者はなかなか決まりません。同様に、高利回りの物件でも、入居率が低く、家賃収入が安定していなければ意味がないのです。
つまり、たとえ新築の物件であっても、あるいは高利回りの物件であっても、その他の条件が悪ければ失敗することもあるのが不動産投資の実情です。評価されやすい指標を見て安易に飛びつくのではなく、想定される可能性を総合的に判断した結果、高収益をあげる可能性のある物件を冷静に判断したいところです。
リスクを加味したワンルームマンションのチェックポイント
入居者層が特定されやすいワンルームマンションの場合、いかに安定的に入居者を確保しておけるかがひとつのポイントになります。具体的には、次のような要素から入居者を安定的に確保できるかどうかを判断していきましょう。
・入居者の多様性に欠けた立地でないか
ワンルームマンションのターゲットは単身者となりますが、一口に単身者といってもその性質は様々です。社会人をはじめ学生、高齢者、外国籍、法人が社宅として借りるケースもあります。安定的な入居者確保ということを考えたときには、「多様な入居者を呼び込めること」が大きなポイントとなります。
この点で考えておきたいのが、立地という側面です。都心部のワンルームマンションであれば先ほど述べた多様な入居者が見込めますが、郊外のワンルームマンションの場合、周辺に大学や企業などがあったとしても、大学や企業の撤退、大規模店舗の閉鎖などの将来的なリスクがあり、投資対象としては安定性に欠けます。
・周辺環境
周辺環境は入居判断に大きな影響を与えます。駅からの距離(徒歩10分圏内)はもちろんのこと、物件周辺や駅までの経路の間に、生活に必要な施設(コンビニエンスストア、スーパー、公共施設など)が充実していれば選ばれやすくなります。また、生活環境という意味では治安も考慮されるでしょう。逆に嫌悪施設(お墓など)が視界に入る物件は多少なりとも敬遠されることも想定しましょう。
・物件そのものの特徴
数値的な情報は紙面情報からでも得られますが、余裕があれば、実際に見ておくといいでしょう。物件そのものの特徴や時には街そのものの雰囲気などは、紙面からだけでは判断できない場合もあります。ワンルームマンションに住むターゲット層のニーズと合わせて、特徴をチェックしましょう。
物件そのものの特徴をチェックする際には、「万人受けしやすい物件かどうか」がポイントとなります。例えば、形の良い間取りや、シンプルなデザイン、多くの人が必須と考える設備があるかという点です。女性を呼び込むことを考えればセキュリティ設備が整っている物件が良いでしょう。
【参考記事】入居付けに有利!入居者が選ぶ設備10選(シングル版)
見落としがちなリスクをあらかじめ回避するために
ワンルームマンションに限らず、高利回りの物件は「ワケあり」を念頭に検討することが大切です。高利回りとなることには、物件価格を安くしないと(リスクに見合った価格にしないと)購入者がいないという理由や、入居者がつかない(空室リスクが高い)、多額の修繕費が必要となる等リスクがあるという理由が考えられます。
ワンルームマンションに投資をしてみて、結果的に入居者がつかないとなれば、後の祭りです。不動産投資の失敗は、その多くが収益率の悪化に起因しています。つまり、入居者がつかないために、キャッシュフローが悪化し、採算が合わなくなってしまうのです。そうならないために、あらかじめ可能な限りのリスクチェックをしておくことが重要といえます。(提供:マンション経営online)
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Source: 株式投資