米中貿易摩擦に対し市場は耐性ができてきた可能性、ドル円は108円台を窺う

米中貿易摩擦に対し市場は耐性ができてきた可能性、ドル円は108円台を窺う

昨日の海外時間には、米中貿易摩擦に対する懸念が後退して、リスク選好の動きで円売りが強まりました。しかし今朝方トランプ大統領が1000億ドルの中国製品に対する追加関税措置の検討を支持した、と報じられたことから円買いが強まっています。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

昨日は、米中貿易摩擦問題に関して双方が交渉の可能性を示唆した事を受けてリスク回避の後退が続いていましたが、今日の東京時間8時ごろ「米通商代表部(USTR)に新たに中国からの輸入品1000億ドルを対象とした追加関税を検討するよう指示した」と報じられたことから一気にリスク回避モードになって円買いが強まりました。ただ、USTR代表が「こうした関税は直ちに発動することはない」と述べ、NEC(国家経済会議)委員長が「交渉を進めていて、関税措置の必要がなくなる可能性がある」と述べたこともあって、107円付近で下げ止まっています。また日経平均の下落も限定的に留まっていて、こうした問題に対して市場に耐性がついてきたことが窺えます。

一旦利食ったドル円の買い持ちを再度構築

昨日持っていたドル円の買い持ちポジションはNY時間午後に上げ渋る展開となったことから107.40円で一度利食いました。今朝方の下落で107円付近で2度下げ止まったことを確認したあとさきほど107.10円で再びドル買い円売りのポジションを作りました。今日は米雇用統計の発表もあるので、106.80円割れと近くに損切りラインを設定します。

海外時間からの流れ

欧州時間序盤、ドル円は107円台を回復し107.10円台まで上昇しました。一方ユーロもやや買われ、ユーロドルは1.2270付近までユーロ円は131.40円台まで上昇しました。その後特段の材料はありませんでしたがドル円は106.90円台まで、ユーロ円は131.00円台まで、ユーロドルは1.2230台まで下落しました。

NY時間にはいると、ドル円は107.00円台を中心とした狭いレンジ内でのもみ合いとなった一方、ユーロドルは1.2260台まで反発し、ユーロ円も131.30円付近まで反発しました。その後米長期金利が上昇を始めドル買いが優勢となって、ドル円は107.40円台まで、ユーロ円は131.40円台まで上昇して、ユーロドルは1.2210台まで下落しました。

NY時間午後になると、新規材料もない中ドル円は107.40円付近でのもみ合いとなり、ユーロドルは1.2240付近まで反発しました。

東京時間にはいって、「トランプ大統領、1000億ドルの対中追加関税措置検討を支持」と報じられると、円買いが急速に強まって、ドル円は107.00円付近まで、ユーロ円は131.00円台まで下落しました。

今日の予定

今日の海外時間には米・3月雇用統計の発表があるほか、独・2月鉱工業生産の発表と、パウエル・米FRB理事の講演が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp


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