米雇用統計、米中貿易摩擦問題も、相場の方向性を変えない見通しで108円台狙い

米雇用統計、米中貿易摩擦問題も、相場の方向性を変えない見通しで108円台狙い

金曜日の海外時間には、発表された米・3月雇用統計で、非農業部門雇用者数が予想を大きくした回ったことからドル売りが強まりました。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

金曜日に発表された米雇用統計ですが、非農業部門雇用者数が3月分が予想よりも8.2万人少ない10.3万人増に留まったことに加え、過去2ヶ月合計で5万人下方修正されるなと弱い結果でした。ただし3ヶ月間の平均を見ると20.2万人増と堅調さを維持していることと、3月の結果には天候要因などが含まれているとみられること、また物価にとって重要な平均時給の伸びが予想通りだったことを考えると、それほど悲観的な結果ではありませんでした。したがって、雇用の伸びの鈍化が追加利上げの妨げになるような事態とは言えず、相場に与える影響は限定的なものと考えます。一方米中貿易摩擦問題では、双方とも相手を非難するような言葉を繰り返していますが、引き続き背後では話し合いでの合意を目指しているものと考えられ、相場の方向性を変えるような事態にまでは進展していないと考えています。

金曜日安値付近で押し目買い

金曜に107.10円で作り直したドル円の買い持ちポジションは米雇用統計発表後にコストの107.10円で手仕舞いました。今日は、金曜日の安値近辺106.80円で再びドル買いのポジションを作りたいと考えます。損切りラインは106.50円割れです。

海外時間からの流れ

欧州時間序盤、発表された独・2月鉱工業生産が弱い結果だったことからユーロ売りが強まる場面もありましたが、NY時間に米雇用統計の発表を控えて各通貨ペアとも小動きが続きました。

NY時間にはって、発表された米・3月雇用統計では、非農業部門雇用者数が予想の18.5万人増に対して10.3万人増と弱い結果だったことから発表直後に一旦ドル売りが強まって、ドル円は107.10円台まで下落し、ユーロドルは1.2250台まで上昇しました。しかし、平均時給の伸びが予想通り堅調だったこともあってか、すぐにドルは買い戻され、ドル円は107.40円台まで上昇し、ユーロドルは1.2220付近まで下落しました。その後米長期金利が低下を始めると全般的にドル売りが優勢となって、ドル円は107.00円付近まで下落し、ユーロドルは1.2280付近まで上昇しました。その後株価がやや上昇したことから円売りが強まって、ドル円は107.20円台まで、ユーロ円も131.60円付近まで上昇しましたが、米長期金利と株価が再び下落基調となると、円買いが強まって、ドル円は106.90円台まで、ユーロ円は131.10円台まで下落しました。

NY時間午後に、株価が一段安となると、ドル売りが優勢となって、ドル円は106.80円まで下落し、ユーロドルは1.2290台まで上昇しました。

今日の予定

今日の海外時間には独・2月貿易収支/経常収支の発表があるほか、コンスタンシオ・ECB副総裁、プラート・ECB専務理事の講演が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp


Source: 株式投資
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