海外旅行でクレジットカード払い 円で?現地通貨で? 渡航前・後6つの注意点とお得な使い方
海外旅行でクレジットカード払い 円で?現地通貨で? 渡航前・後6つの注意点とお得な使い方
連休に向けて海外旅行のプランを立てている人も多いだろう。海外で買い物をする際に気になるのがクレジットカードだ。「海外旅行ではクレジットカードを使うとお得」と言われることは多いが、クレジットカードをどのように使えばよいのだろうか。また事前に何か準備しておくことはあるのだろうか。
今回は、海外旅行でクレジットカードをお得に利用するために、渡航前の注意点を3つ、渡航後の注意点を3つ紹介する。
渡航前の注意点1 旅行用に持参するカードを選択 保険やサービスもチェック
海外旅行の前に確認したいのはカードの利用限度額、付帯サービスや盗難にあったときなどのサポートである。クレジットカードによっては海外旅行保険が自動付帯してくるもの、旅行代金をそのクレジットカードで支払った時のみ海外旅行保険が付帯してくるものがあり、サービス内容を十分確認したうえで決めたいものだ。気になる人は、海外旅行保険の自動付帯に加えて、ショッピング保険も付帯するクレジットカードを選択するのもよいだろう。
海外保険を利用したい場合やカード紛失の場合を考えると、24時間対応で日本語サポートがあるカードがいいだろう。
自宅から空港までの手荷物宅配サービスがあったり、空港でのコート預かりサービスがあったり、空港のラウンジが利用できたり、ホテルがアップグレードされるクレジットカードもある。国内空港のカードラウンジだけではなく、世界で1,000か所以上の空港ラウンジが利用できるプライオリティパス付帯のクレジットカードもある。
国によって加盟店が少ない国際ブランドのクレジットカード会社もあるので、事前に渡航先の加盟店の状況も調べておく必要がある。渡航先で加盟店が多い国際ブランドのクレジットカードを持っていれば安心だ。
渡航前の注意点2 暗証番号とサインを忘れない
現地で通貨が足りなくなった場合は、クレジットカードのキャッシングが便利だ。現地通貨のキャッシングはその日の為替レートで決済される。ATM手数料と金利が発生するが、両替所の換金よりもお得なケースがある。この場合ATMで暗証番号が必要になるので、クレジットカードの暗証番号を忘れないでおくことが必要だ。ICチップ付きのクレジットカードを利用する場合も暗証番号を求められるので、必ず控えておくようにしたい。
渡航先の加盟店によっては、クレジットカードを利用する場合IDカードの提示を求められることがある。よってクレジットカードの署名欄のサインは、パスポートと同じものを使うのが無難だ。
渡航前の注意点3 カード番号、カード会社の連絡先をコピーしておく
盗難や紛失など海外旅行でトラブルが発生した場合、被害を食い止めるためにクレジットカードの番号、クレジットカード会社の連絡先はコピーをして持って行くようにしよう。
以上が渡航前の3つの注意点である。これらをふまえて2〜3枚ほど異なる国際ブランドのクレジットカードを準備するのがよいだろう。次は渡航後の注意点を3つ紹介しよう。
渡航してからの注意点1 売上伝票では必ずチェック 円決済と現地通貨決済
渡航先の加盟店によっては、クレジットカードの円決済を行っているところもある。円決済だと、その場で利用額がわかるというメリットがある。円決済と現地通貨決済、どちらがお得なのだろうか。
海外で円決済できるサービスは、クレジットカード会社のサービスではなく「その加盟店が独自に提供しているサービス」なのだ。このため、「クレジットカード会社の交換レート+各カード会社の海外事務手数料」ではなく「その加盟店独自の交換レート+各カード会社の海外事務手数料」で決済される。
この「加盟店独自の交換レート」が「クレジットカード会社の交換レート」よりも得かどうかは、加盟店の設定によるので一概には言えない。加盟店によっては、交換レートを開示していないかもしれない。円決済ではその場で支払金額を確定できるので安心かもしれないが、加盟店独自の交換レートが割高な場合は損をしてしまう。
店舗にもよるが、現地加盟店の独自の交換レートで計算した日本円換算額がレシートに記載されている場合がある。その場合は、レシートを確認した時点で加盟店に日本円換算での請求を希望しない旨の申し入れを行わないとならない。レシートにサインをした後では遅いのだ。サインをすると、現地加盟店から日本円換算額で決済センターに請求データが持ち込まれてしまい、不利なレートでカード利用金額を支払うことになる可能性もあるので要注意だ。
渡航してからの注意点2 クレジットカードの海外利用の事務処理コストと交換レート
海外でクレジットカードを利用した場合は「海外利用にかかる事務処理コスト」が発生する。海外利用におけるクレジットカードの計算方法は、大体が各カード会社の「為替レート」に「海外利用にかかる事務処理コスト」をプラスし、日本円に換算して決済を行うのだ。
海外利用にかかる事務処理コストは1.3%〜2.0%程度と各社によって異なる。代表的な国際ブランドのカード会社の事務処理コストをサイトで調べると、たとえばダイナースは1.3%でVisaは1.63%などと示されている。ダイナースがお得なのでは?と思われそうなものだが、為替レートはクレジットカード会社によって異なるため、必ずしもお得とは限らない。
VisaやMastercard、JCBでは為替レートを日々開示しているが、ダイナースやアメックスは為替レートを非公開にしている。
カード決済日についても注意が必要だ。海外利用におけるクレジットカードの決済日は、加盟店でショッピングなどをした日ではなく、決済センターにデータが届いた日に決済されるケースがほとんどである。利用した日から決済センターにデータが送られるのに何日かかるかは原則的に開示されていない。データが決済センターに届く間に円高が進めば得、円安が進めば損になる。各国際ブランドカード会社の決済日は以下のとおりだ。
・Visa……利用データが米国Visaに集まった日
・Mastercard……利用データが米国Mastercardワールドワイドに集まった日
・JCB……JCBが加盟店に代金を支払った日
・アメリカン・エキスプレス……利用データを処理した日
・ダイナース……売上データがダイナースに届いた日
海外利用にかかる事務処理コスト、交換レート、決済日を総合して考えると、一概にどのカードが決済コスト安いか?を断言することはできない。ただし交換レートを開示している国際ブランドの会社については、海外でクレジットカードを利用する際の大体の目安にはなるだろう。
渡航後してからの注意点3 売上伝票では必ずチェック 海外加盟店の手数料(サーチャージ)
イギリス、デンマーク、スウェーデン、オランダ、オーストラリアなどの国においては、買い物でクレジットカードを利用した場合、加盟店が手数料(サーチャージ)を売上代金に加算して請求することが認められている。このサーチャージは一律ではなく各加盟店によって異なる。しかも、イギリスやデンマークなどの国のすべての加盟店でサーチャージが請求されるわけではない。
サーチャージが加算された売り上げ伝票にサインをした後にサーチャージ分の返金をクレジットカード会社に求めても、返金には応じてもらえない。これらの国でクレジットカードを利用する場合には、必ず売上伝票に記載されるサーチャージの有無を確認するようにしよう。
海外旅行でクレジットカードをお得に使うために
空港のラウンジ利用や海外旅行保険が付帯するクレジットカードを選ぶことも重要だが、一番大切なことは「海外旅行でクレジットカードを使う時には、自己責任で細心の注意を払う」ことである。
ATMでキャッシングを利用する時はカードが戻ってくるまでATMから離れない、サーチャージを上乗せされる国の加盟店においては、売上伝票におけるサーチャージの有無を確認してからサインする、円決済も利用できる加盟店では円決済か現地通貨決済かを必ず確認してからサインする、など気を付けたいことはたくさんある。
他にも、帰国後はクレジットカードの暗証番号を念のために変更する、売上伝票は必ず保管し帰国後カード会社から送られる利用明細と必ず照合突合せして不正使用がないかチェックするなど、自己管理と細心の注意を求められるのが海外旅行でのクレジットカードの利用なのだ。
万が一の盗難にあったときのケアやショッピング保険、不正利用があった時の利用者への告知、カード本体のセキュリティ(ICチップ付き)なども考慮して海外旅行に持っていくカードを選びたいものである。
交換レートや海外事務手数料がクレジットカード利用者にとって有利、ラウンジ利用やホテルのアップグレードという面だけではなく、トラブルがあった時のサポートが手厚いクレジットカードを海外旅行のお供に選んでこそ、海外旅行でクレジットカードを最大限に活用できるのだ。(ZUU online編集部)
Source: 株式投資