NY為替・11日=シリア情勢がドルの頭を抑える、NY原油先物は2014年以来の高値

NY為替・11日=シリア情勢がドルの頭を抑える、NY原油先物は2014年以来の高値

 NYタイムの為替市場は、シリア情勢がドルの頭を抑えた。トランプ米大統領が自身のツイートで「(ロシアがシリアへ飛んでくるミサイルを全て打ち落とすことを宣言していることに対して)ロシアよ、準備していろ。ミサイルが飛んでくるぞ」と発信。米国がシリア攻撃をする可能性を示唆したことで、中東情勢及び米露関係の悪化を嫌気し、ドル売り・株売り・債券買いになった。ドル円は106.65円まで、ユーロドルは1.2396ドル、ポンドドルは1.4223ドルまでドル安に振れた。ユーロドルはドラギECB総裁が「インフレ率が欧州中央銀行(ECB)の目標まで上昇すると確信している」という発言も下支え要因となった。また、サウジアラビアの首都リヤド上空でミサイルが迎撃されたというニュースもドルの上値を抑える原因となった。
 ダウ平均は218ドル安の24189ドルで引け、一時プラス圏に入ったナスダック総合も25p下落して引けた。米債はリスクオフの債券買いで、10年債利回りは一時2.753%まで低下した。
 3月20-21日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録で全てのメンバーが景気とインフレの上昇を予想したことで、ドルは小幅ながら買い戻され、ドル円は一時107円を回復し、ユーロドルは1.23ドル半ば、ポンドドルは1.41ドル後半までドルは強含んだが、ドル買いの勢いは徐々にそがれた。注目されていた3月の米消費者物価指数は、前月比で-0.1%となり、市場予想の±0.0%よりも弱まった。またコアは+0.2%で市場予想通りだった。為替は僅かなドル売り反応しかできなかった。
 オセアニア通貨は小幅なレンジで取引された。豪ドル/ドルは0.77ドル半ば、NZドル/ドルは0.73ドル後半でもみ合いだった。中東情勢の悪化で原油価格が続伸し、NY原油先物の中心限月が2014年12月以来となる67.42ドルまで上昇したことで、ドル/加ドルは1.2545加ドル、加ドル円は85.15円まで加ドル高になった。
 昨日は米中貿易戦争回避期待で大幅に上昇したクロス円は、新たに中東リスクが加わったことで、売り買い材料が交錯し、方向感が無かった。ユーロ円は132.03円まで一時下落、ポンド円は151円半ばでもみ合い、豪ドル円は82円後半までじり安になった。
 トルコリラ(TRY)円はトランプ米大統領大統領にツイート後25.46円まで下落し、史上最安値を更新した。売り一巡後は買い戻しの動きもでており、一時25.80円付近とツイート時の水準まで回復した。
 6時現在、ドル円は106.80円、ユーロドルは1.2367ドル、ユーロ円は132.08円で推移。
Source: zai fx news


Source: 株式投資