寿スピリッツは調整一巡、18年3月期売上概算は計画超の14.9%増収、19年3月期も収益拡大基調

寿スピリッツは調整一巡、18年3月期売上概算は計画超の14.9%増収、19年3月期も収益拡大基調

 寿スピリッツ<2222>(東1)は「お菓子の総合プロデューサー」を企業ビジョンに掲げ、首都圏エリア展開強化や商品プレミアム化などの重点施策を加速している。4月12日発表した18年3月期売上状況(概算)は計画超の14.9%増収だった。売上高が計画超だったことで利益予想も上振れの可能性が高いだろう。そして19年3月期も収益拡大基調だろう。株価は調整一巡して上値を試す展開が期待される。なお5月14日に18年3月期決算発表を予定している。

■「お菓子の総合プロデューサー」として地域限定ブランド菓子を展開

 地域限定ブランド菓子の製造・販売を主力とする持株会社である。全国各地のお菓子のオリジナルブランドとショップブランドを創造する「お菓子の総合プロデューサー」を企業ビジョンに掲げている。さらに「ワールド サプライジング リゾート(WSR)宣言」を経営スローガンに掲げ、中期経営目標を売上高経常利益率20%としている。

 主要子会社(セグメント)はケイシイシイ、寿製菓・但馬寿、シュクレイ、九十九島グループ、販売子会社(東海3社、中国・九州4社、関西2社)である。シュクレイはフランセを17年4月吸収合併して生産直販型会社に移行した。

 17年3月期の販売チャンネル別売上構成比は、通信販売7.2%(うちルタオ通販5.8%)、店舗販売(直営店舗、催事)43.3%、卸売(駅・空港・高速道路SAなどの小売店、代理店卸、OEM)46.9%、海外2.4%、その他0.1%だった。駅・空港・高速道路SAなど交通機関チャネルでの土産品としての販売比率が高いことも特徴である。またクリスマス・年末年始・バレンタイン・ホワイトデー商戦などで下期の構成比が高くなる季節特性がある。

■首都圏WSR化展開など重点施策が大幅伸長

 重点施策として、プレミアム・スイーツブランドの創出と育成(地域・チャンネル特性にマッチした商品開発推進、主力商品リニューアルによるバージョンアップと価格改定、販路開拓やリアル店舗と通販の融合、新業態店の拡大)、インバウンド対策の強化(国内主要国際空港における免税売店等への販売強化、直営店舗での免税対応強化)、首都圏でのWSR化展開(シュクレイの多ブランド展開推進や販路拡大、グループ各社による期間限定店舗展開の推進など)、海外展開、生産性向上による製造採算改善などを推進している。

 重点施策の17年3月期売上高は、国内主要国際空港でのインバウンドが16年3月期比2.4倍の19億60百万円、海外(台湾現地法人売上高+韓国・香港向けロイヤルティ含む国内出荷売上高)が41.5%増の7億78百万円、シュクレイ(首都圏WSR化)が95.9%増の92億75百万円と大幅伸長した。

■18年3月期売上概算は計画超の14.9%増収

 18年3月期連結業績予想(11月1日に増額修正)は、売上高が17年3月期比12.9%増の367億40百万円、営業利益が21.4%増の46億70百万円、経常利益が20.6%増の47億円、純利益が28.3%増の33億円としている。

 シュクレイの収益拡大が牽引して大幅増収増益予想である。重点施策の売上高計画は、インバウンドが53.1%増の30億円、海外が54.2%増の12億円、シュクレイが22.0%増の113億19百万円としている。

 配当予想(3月12日に期末5円増額修正)は、年間35円(期末一括)としている。17年3月期との比較では10円増配となる。予想配当性向は33.0%となる。

 4月12日発表した売上状況(概算)は14.9%増の373億69百万円で計画超の大幅増収だった。セグメント別に見るとシュクレイが24.5%増収、ケイシイシイが14.0%増収、寿製菓・但馬寿が8.2%増収、販売子会社が7.8%増収と好調だった。九十九島グループは1.0%増収、その他は22.3%増収だった。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.0%、営業利益が79.9%、経常利益が80.0%、純利益が81.3%と高水準だった。売上高が計画超だったことで利益予想も上振れの可能性が高いだろう。そして19年3月期も収益拡大基調だろう。

■株主優待は毎年3月末に実施

 株主優待制度は、毎年3月末現在の100株以上~500株未満所有株主に対して2000円相当の自社グループ製品、500株以上~1000株未満所有株主に対して4000円相当の自社グループ製品、1000株以上所有株主に対して4000円相当のグループ製品+3000円相当の直営店舗利用優待券(代替商品送付可)を贈呈する。

■株価は調整一巡して上値試す

 株価は2月の上場来高値6900円から反落して上値を切り下げたが、3月26日の5160円から切り返して調整一巡感を強めている。

 4月12日の終値5280円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想連結EPS106円04銭で算出)は約50倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間35円で算出)は約0.7%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS409円20銭で算出)は約13倍である。時価総額は約1643億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋る形だ。調整一巡して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)
Source: 日本インタビュ新聞 株式投資情報


Source: 株式投資