トランプ大統領シリア問題、米中貿易摩擦問題に加えTPPでもハト派に転向でドル円上昇
トランプ大統領シリア問題、米中貿易摩擦問題に加えTPPでもハト派に転向でドル円上昇
昨日の海外時間には、トランプ大統領が「シリア攻撃がすぐでないかもしれない」「中国との貿易戦争が回避できるかもしれない」と述べたり、TPPへの復帰検討を指示したと報じられるなど、リスク回避が後退するような材料が続いて円売りが優勢となりました。
今後の見通し
昨日はトランプ大統領が「シリア攻撃がいつ実施されるかは決して言わない」「すぐかもしれないし、全くすぐではないかもしれない」とツィートしたことで、シリアへのミサイル攻撃実施の可能性がやや遠のいたと見られたこと、同じくトランプ大統領が「中国政府が米国への一段の市場開放に前向きなら、米国は中国との貿易戦争を回避できるかもしれない」「NAFTA、合意にかなり近づいている」と述べたことさらに「TPPへの再加入の検討を指示した」との報道もあって全般的にリスク回避が後退して円売りが優勢になりました。シリア問題の火種は依然として燻ぶっているものの、貿易絡みの緊張が緩和したことから、リスク回避の円買いの巻き戻しでドル円は上昇すると予想できます。
ドル円買い持ちを継続
一昨日106.80円で作ったドル買いポジションを継続して保有中です。損切りラインを106.50円割れから107.00円割れに引き上げて、利食いは108円台を目指したいのですが、107円台半ばで伸び悩むようなら利食います。
海外時間からの流れ
欧州時間序盤、発表されたユーロ圏・2月鉱工業生産が予想を大きく下回ったことからユーロ売りが強まって、ユーロドルは1.2330付近まで、ユーロ円は131.80円付近までげ下落しました。その後トランプ大統領が「シリア攻撃がいつ実施されるかは決して言わない」「すぐかもしれないし、全くすぐではないかもしれない」とツィートしたことからリスク回避が後退して円売りが強まって、ドル円は107.20円付近まで、ユーロ円は132.30円台まで上昇しました。その後公表された欧州中央銀行(ECB)議事録で「為替相場の上昇が、インフレに対し一段のマイナスの影響を及ぼす可能性があることを示している」「インフレが持続的だとの証拠はまだ不十分ということに幅広く合意した」などとされたことから再びユーロ売りが強まって、ユーロドルは1.2310付近まで、ユーロ円は131.90円台まで下落しました。
NY時間にはいると、米長期金利と各国株価が上昇して円売りとドル買いが優勢となって、ドル円は107.40円台まで、ユーロ円は132.20円台まで上昇し、ユーロドルは1.2300付近まで下落しました。
NY時間午後にかけてはドルがやや売り戻されて、ドル円は107.00円台まで反落し、ユーロドルは1.2340付近まで、ユーロ円は132.20円台まで上昇しました。NY時間引けにかけてはホワイトハウスが「トランプ大統領がより良いTPP合意が可能か検討するよう指示した」と報じられたことから株価が堅調に推移する中円売りが優勢となって、ドル円は107.30円台まで、ユーロ円は132.30台まで上昇しました。
東京時間にはいって、日経平均が上げ幅を拡大していることから円売りが優勢となっています。
今日の予定
今日の海外時間にはユーロ圏・2月貿易収支、米・4月ミシガン大学消費者信頼感指数、米・2月JOLT労働調査の発表があるほか、ローゼングレン・米ボストン連銀総裁、ブラード・米セントルイス連銀総裁の講演が予定されています。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp
Source: 株式投資