リップル(Ripple)技術利用の送金アプリ「One Pay FX」が本日よりサービス開始
リップル(Ripple)技術利用の送金アプリ「One Pay FX」が本日よりサービス開始
英フィナンシャルタイムズ紙(FT、2018年4月12日)によると、スペインの最大手商銀サンタンデール銀行は、Ripple(リップル)技術のアプリを利用して4月13日(現地時間)から、世界初となる4ヵ国を結ぶ海外送金サービスを本格的に開始する。
送金に使われるRippleアプリは、同銀が開発した「One Pay FX」であり、これを実装したスペイン、英国、ブラジル、ポーランド4ヵ国のサンタンデール銀行間で送金業務を始める。ブロックチェーン技術を使ったアプリによる本格的な海外送金業務は初めてとなる画期的な出来事である。
Rippleネットワーク上で海外送金、「One Pay FX」アプリを開発
「One Pay FX」は、Rippleのネットワーク4製品の中の1つxCurrentを利用する。サンタンデールは、英国支店が中心になって2016年から約2年かけてアプリを開発してきた。xCurrentは、数分で国際送金すること目指して、現在銀行やその他の金融機関が活用を試している法人向けソフトウェアソリューション。ちなみにxCurrentは、リップルのトークンであるXRPを使わないタイプ。
「One Pay FX」は、英10ポンドから1万ポンド(14ドルから1万4000ドル)を決済できる。サンタンデールの顧客は、xCurrentネットワーク上に実装した「One Pay FX」を使って、4大陸間の決済を僅か1分弱(3クリック40秒以内)で完了できるという。
サンタンデール銀行グループはさらに、今後数か月以内にこのサービスをさらに多くの国に広げるほか、他の金融機関にもアプリを利用してもらう意向である。
アプリは、英国店のスタッフ間で内輪による海外送金テストを実施するなど、涙ぐましい社内努力の成果である。アプリ完成の裏にはまた、Rippleとサンタンデール銀行間の持続的提携関係が実を結んだ
▼「One Pay FX」アプリイメージ
出典:Ripple公式
送金スピードは秒単位、コスト安など海外銀行間の送金業務を一挙革新
Rippleは本来、銀行間取引の世界的ネットワークを構築することを最終目的としており、そのスピード、コスト、取引量は他の仮想通貨と比較して断然トップとなっている。スピードは平均3.3秒、コストは0.0004ドル(0.04円)、取引量(毎秒のトランザクション処理量)1500TPSである。それらはビットコインと比較にならないほど優れている。多くの銀行が即時国際送金にRippleのソリューションを試す理由はそこにある。
Rippleのネットワークを使う多国間送金は、SBIホールディングスが2017年、SBI Ripple Asiaと提携して、内外為替一元化コンソーシアムを結成して、12月には自社決済プラットフォーム「RCクラウド」を利用する「日韓送金」実験を実施した。コンソーシアムは、実験結果を積み重ねて、2018年中の実用化を目指している。
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Rippleはまた、スタンダード・チャータード銀行(シンガポール)、アクシス銀行(インド)、RAKBANK(UAE)の3行が、Rippleネットワークの1つRippleNetを利用した国際送金を開始したとも発表している。
FT紙によると、このアプリ使った4ヵ国間の外貨送金取引は当初、サンタンデール銀行の小口消費者向けに取り扱っている為替取引量のほぼ半分を処理することになる。
(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)
参考:CoinDesk
Source: CoinChoice
Source: 株式投資