世界のお金持ちが「新卒」で入った会社とは? 9カ月で辞めた人も
世界のお金持ちが「新卒」で入った会社とは? 9カ月で辞めた人も
新年度が始まり、新人社員の言動や珍プレー・好プレーが話題となるこの頃。ところで、『Forbs』の「世界の長者番付」に入るような経営者たちは新卒でどんな会社に入り、どんなエピソードがあったのだろうか。
調べてみると、ほとんどの長者たちは在学中や卒業後にいきなり起業するパターンが多く、しかも新卒後に就職した企業で頭角を現すというより、いくつかの企業を渡り歩くうちに力をつけ、アイデアを花開かせるケースがほとんどだった。最初の会社で残したエピソードの持ち主は少なかったが、3人の長者について紹介したい。
親日家のラリー・エリソン:シリコンバレーのソフトウエア販売「アムダール」
世界長者番付10位(資産額585億ドル)で米国ソフトウエア「オラクル」共同創業者兼会長兼CTO、ラリー・エリソン氏。親日家であり、結婚4回離婚4回とプライベートでも話題を振りまく彼は、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏の盟友だ。ジョブズ氏に比べて名前が知られていないのは、主力商品が一般消費者向けではなく、企業向けだからといえる。
大学を中退した彼は1973年にシリコンバレーのソフトウエア販売「アムダール」に就職した。アムダールはIBMの技術者がスピンアウトして作ったIBMの互換機メーカーとして知られ、富士通と資本提携していた。このため彼はよく日本に出張していたという。初めて京都を訪れたときに日本庭園に感動し、現在、京都・南禅寺に豪華な庭園のついた別荘を所有するほど親日家になっている。オラクルも設立の早い時期に日本法人を設立した。
NY市長のマイケル・ブルームバーグ:ソロモン・ブラザーズ
日本では政治家が長者番付に出てくることはそれほどない。4月2日に発表された2018年資産公開では1位が約9億3000万円だった。2015年には故鳩山邦夫元総務相が30億円超で、突出して1位だったが、経営者たちには遠く及ばない。
そんな中、世界の長者番付で堂々の11位につけたのがマイケル・ブルームバーグ氏だ。彼は2002~2013年にニューヨーク市長を務め、後に自らが設立した通信会社ブルームバーグCEOに復帰。一時は大統領選への出馬も取りざたされた。今年3月には、国連気候変動対策特使に任命されている。慈善家としても知られ、銃規制や気候変動問題に大金を寄付している。
彼はハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得後、1966年から十数年にわたって証券会社大手のソロモン・ブラザーズに勤務し、共同経営者に上り詰めた。ソロモン・ブラザーズはウオール街屈指の収益性を誇る投資銀行のひとつ。しかし、同社が買収されたために彼は退社し、1981年に金融ニュース・情報企業の「ブルームバーグLP」を創業した。
日本人2位のユニクロ柳井氏:ジャスコ(現在のイオンリテール)
日本人の1位(世界では39位)、孫正義氏(資産額2兆2930億円、227億ドル)は留学のために渡米後、就職することなく起業している。2位(同55位)はファーストリテイリングの柳井正氏(同2兆210億円、195億ドル)だが、柳井氏は早稲田大学政治経済学部を卒業後、ジャスコ(現在のイオンリテール)に入社した。
2018年1月18日付の日経電子版のインタビューに「僕は、もともと内向的で、経営者に向いてない性格だったしね。学生のときは、本ばかり読んでいた。商売人どころか仕事しないで一生暮らせる方法はないかな、と」という回答をしている。
法政大学経営大学院イノベーションマネジメント研究科教授の小川孔輔氏は著書『しまむらとヤオコー」の取材秘話を自身の公式サイトで語っている。ジャスコでの先輩の回想として、ジャスコ四日市店で家庭雑貨売場を担当したときの柳井青年は、「よく働く元気な新人社員ではなかった」といい、ほかの社員がスーツで出社してくるのにジーンズで職場に来ていたとか。
与えられた仕事はさっさと終えて、寝そべっていたとも。ただ、無駄なことをやらなかったそうだ。とにかく、物事をクールに見る性格や態度はそのときからだったのだろう。結局9カ月で退職し、帰省して実家の商売に参加した。(フリーライター 飛鳥一咲)
Source: ZUU online
Source: 株式投資