【編集長の視点】スタジオアタオは年初来安値から急反発、連続最高純益更新業績を見直し売られ過ぎ訂
【編集長の視点】スタジオアタオは年初来安値から急反発、連続最高純益更新業績を見直し売られ過ぎ訂
スタジオアタオ<3550>(東マ)は、前週末13日に129円高の2148円と急反発して引け、前々日12日に突っ込んだ年初来安値2000円から急速に底上げした。同社株は、今年4月11日に発表した今2019年2月期予想業績が、市場コンセンサスを下回るとして急続落したが、前2018年2月期業績は、期初予想を上ぶれて着地し、続く今期業績も連続の過去最高更新と予想したことを見直し売られ過ぎ訂正買いが再燃した。日柄的には、今年1月につけた株式分割権利落ち後高値3270円から4カ月超経過し、値幅的にも4月12日につけた分割権利落ち後安値で約39%の下落率となっているだけに、調整十分として底値買いの手掛かりとなっている。
■新規出店がフル寄与しネット販売のデジタルポイントサービス開始などが相乗効果
同社の今2019年2月期業績は、前期利益が、期初予想を5300万円~1900万円上ぶれて着地したのに続き、売り上げ38億5000万円(前期比11.9%増)、営業利益6億円(同8.6%増)、経常利益6億円(同8.5%増)、純利益4億1500万円(同15.6%増)と続伸を見込み、利益は市場コンセンサスにやや未達となるものの、純利益は、連続して過去最高を更新する。「ファッションにエンタテインメントを」を経営理念にインターネット販売と実店舗を連携させる回遊型ビジネスモデルとして、瀬尾社長自身がデザインする国内生産の皮製バッグ、財布で4つのブランドを展開しており、昨年9月から開始したデジタルポイントサービスや、同11月に新規オープンの「ATAO名古屋松坂屋店」、さらに今年4月に10名(前期実績5名)に増員した新入社員のフル寄与などが要因となる。
とくにインターネット販売は、前期に前々期比20.4%増の17億9570万円と、店舗販売の同20.7%増の14億7078万円とともに好調に推移し、インターネット販売比率は、52%とアパレル業界の平均を大きくオーバーしており、今期は、デジタルポイントサービスのほか、SNS活動の積極推進、自社ブランドのポータルブログを活用したO2O戦略の強化、Instagramのファンボード機能の設置などが、口コミ効果を高めて顧客創造を後押ししてさらに業績寄与度を高めることになる。
■25日線からなお大幅下方かい離しまず分割権利落ち後高値調整幅の3分の1戻しにトライ
株価は、昨年8月31日を基準日に実施した株式分割(1株を3株に分割)を歓迎して上場来高値8740円まで買い進まれて6750円で株式分割の権利を落とし、分割権利落ち後安値1773円は、理論価格を大きく下回るとして水準を上げ、前期第3四半期決算が、2ケタ増収増益で着地し2月通期業績に対して高利益進捗率を示したことを手掛かりに分割権利落ち後高値3270円まで買い直された。同高値後は、第1波、第2波と続いた世界同時株安が響いて2121円まで調整、今期業績の発表とともに利益が市場コンセンサスを下回るとして窓を開けて400円幅の急落となりダメ押しをした。ただ、この株価水準は、25日移動平均線から15%超のマイナスかい離となり売られ過ぎとして底値買いを誘発した。分割権利落ち後高値からの日柄・値幅調整一巡としてさらに底上げ、まず調整幅の半値戻し水準の2400円台回復に弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)
Source: 日本インタビュ新聞 株式投資情報
Source: 株式投資