ビットコイン(BTC)価格反騰のきっかけとは?弱気市場の底は6500ドルだった説
ビットコイン(BTC)価格反騰のきっかけとは?弱気市場の底は6500ドルだった説
ビットコイン(BTC)価格は日本時間4月17日現在、連続5日間8000ドルを超えるまで大きく回復した。BTCは20000ドルを付けた2017年12月を頂点に、この数ヵ月で6000ドル台まで大きく下落していたが、なぜ反騰してきているのか?
日本時間4月12日に始まったビットコイン(BTC)価格の反転が長続きするかどうか、即断はできない。しかし、仮想通貨コミュニティーではこのところ「ビットコインは6500ドルを割ることはない」という説が流れていた。この数日はまさにそれを裏付けるような動きがあった。
※本稿は海外メディアのレポートを参考に解説しています
ビットコイン(BTC)反騰のきっかけは多かった
ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズ(Fundstrat Global Advisors)のリサーチ責任者であるトーマス・リー氏は、ビットコイン急伸の背景として、サンタンデール銀行によるブロックチェーン技術を利用した決済アプリの計画が進み、税に関連した売りがほぼ終わったことなどを挙げている。同氏はさらに、ショートスクイーズ(※)も原因の1つであると指摘した。
※相場が売り持ち、つまりショートポジションに傾いている時、大きく買いを仕掛けることで相場を高めに誘導すること
ビットコイン(BTC)価格の今回の反転について、いくつか注目される事態があった。その1つは、スペインの大手商銀サンタンデールが、Ripple(リップル)の技術を使ってテスト中だったスペイン、英国、ブラジル、ポーランド4ヵ国間の海外送金業務を金融業として初めて、4月13日から開始すると発表したことである。
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さらにビットコインがイスラム法「シャリーア」に反しないという、イスラム教徒が圧倒的の多いインドネシアから、イスラム学者の長文の報告書が出たこと。これによって世界の17億人を超えるイスラム教徒が、ビットコイン市場に参入する道義的な突破口が開かれたことである。
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ビットコインの取引量は確実に40億ドル前後維持
では、「ビットコインは6500ドルを割ることはない」という説はどこから出たのか?すべての仮想通貨は、ビットコイン価格としっかり相関関係にある。世界をリードするビットコインにとって望ましいことがなかったのは、誰もが気付いていた。この2、3ヵ月、ビットコイン価格についてネガティブな現実が多々あった中で、6500ドルを割らないという何らかの根拠、希望の兆しがあったのだろう。
もう1つのプラスの側面は、確実に40億ドル前後を維持してきた取引量(売買高)である。
※現在、取引量は増加傾向(参照:CoinMarketCap)
「200日移動平均線を上抜けた」と米大手投資ファンド「買い」を推奨
米国初のビットコイン投資ファンドとして2013年に設立された資産8億ドルのパンテラ・キャピタル・マネジメント(Pantera Capital Management)は、ビットコイン6500ドルの予測は、弱気の市場の底(最低線)であると見ている。同社はまた、来年は大半の時期でその水準を上回り、2万ドルの最高値を突破する公算が大きいと大胆に予測する。つまり、ビットコインの不振の時期は過ぎたというのだ。
同社は4月12日、投資家向けリポートの中で、6500ドル底値を根拠にして、投資家に次のように呼びかけている。
「当社になじみなく、ファンドは常に『今日はロング(買い)』と勧めるものだと考えている投資家にあえて伝えたい。(ロングの)タイミングについて、当社がこれほど強く推奨することはめったにない」
同社はレポートの中で、「ロング(買い)目線による持ち合いのグッドタイミング」と指摘して、「機関投資家の大量の資金が相場を高水準に押し上げる」との見方を示した。パンテラは2014年創設以来、「買い」3回、「売り」1回しか推奨してこなかったが、今回は200日移動平均線を上抜けたと強調した。今回がその「買い」という訳だ。6500ドル底値説が本当かどうか、市場の推移に注目してみよう。
(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)
*投資はご自分の判断でお願いします。
参考
Themerkle
Bloomberg(1)
Bloomberg(2)
Source: CoinChoice
Source: 株式投資