日米首脳会談1日目、懸念されたような展開とはならず円売り優勢
日米首脳会談1日目、懸念されたような展開とはならず円売り優勢
昨日の海外時間には、ドル買いが強まる場面もありましたが、米長期金利が低下してドル円は上値の重い展開となりました。今日の東京時間には、日米首脳会談で北朝鮮問題で日米の友好関係が強調された一方、通商問題が明日に継続とされたことで円売りが強まっています。
今後の見通し
日米首脳会談が始まりましたが、第1日目には北朝鮮問題と通商問題が話し合われた模様です。北朝鮮問題では核・ミサイルの検証可能で不可逆的な廃棄を目指す方針と最大限の圧力を維持していくことを改めて確認、さらには米朝首脳会談で拉致問題を取り上げる、とされました。一方通商問に関しては、2日目に継続して話し合うとして、内容の公表はありませんでした。日米の友好関係が北朝鮮問題を通して確認された一方で、少なくとも今日の段階では日本に対する強い要求がなかったことからリスク選好の動きで円売りが強まっています。しかしながら、通商問題に関しては明日に継続する、ということの発表に留まっていて、未だ予断を許さない状況に変わりはありません。むしろ北朝鮮問題で日本に理解を示したことから、通商問題ではアメリカの主張を強調する可能性もあるのではないでしょうか。
日米首脳会談2日目に備え再びドル売り
昨日のNY時間、ドル円が東京時間夕方の安値を割り込まなかったことから、107.30円のドル売り円買いのポジションを107.00円で買戻しました。今夜の日米首脳会談で通商問題で円買いが強まる可能性を考えて、さきほど再び107.30円でドル売りのポジションを作りました。損切りラインは107.60円です。
海外時間からの流れ
欧州時間序盤ドル売りが優勢となって、ドル円は106.80円台まで下落し、ユーロドルは1.2410台まで上昇しました。その後発表された独・4月ZEW景況感調査が予想を大きく下回ったことからユーロ売りが強まる一方ドル買いが優勢となって、ユーロドルは1.2360台まで、ユーロ円は132.30円台まで下落し、ドル円は107.10円付近まで上昇しました。
NY時間にはいってもドル買いの流れが続き、ドル円は107.20円付近まで上昇し、ユーロドルは1.2330台まで下落しました。しかしNY時間午後にかけては米長期金利が低下する中ドル売りが優勢となって、ドル円は106.90円付近まで下落し、ユーロドルは1.2360台まで上昇しました。NY時間引けにかけては、ドル円が107.00円台まで反発した一方、ユーロドルは1.2370付近のもみ合いとなって、ユーロ円は132.40円台まで上昇しました。
東京時間にはいってからは、日米首脳会談が友好的な雰囲気で行われたことが伝わってリスク選好で円売りが強まっています。
今日の予定
今日の海外時間には英・3 月生産者/消費者/小売物価指数、独・4月ZEW景況感調査、ユーロ圏・4月ZEW景況指数、米・3月住宅着工件数/建設許可件数、ユーロ圏・3月消費者物価指数(確報値)の発表があるほか、米・ベージュブック(地区連銀経済報告)の公表、ダドリー・米NY連銀総裁、クオールズ・FRB副議長の講演が予定されています。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp
Source: 株式投資