【ストラテジーレポート】割安修正に動き始める時 北朝鮮問題の進展はもっと市場に評価されてよい

【ストラテジーレポート】割安修正に動き始める時 北朝鮮問題の進展はもっと市場に評価されてよい

ワシントン・ポスト紙は、ポンペオCIA長官がイースターの間に北朝鮮を極秘に訪問し、金正恩委員長と面会していたと報じた。事実なら超ビッグ・ニュースである。ポンペオ氏は次の国務長官に指名されている。1年前に北朝鮮はCIAが金正恩委員長の暗殺を企てたと非難した。そのCIAの長官であり次期国務長官のポンペオ氏と金正恩氏が北朝鮮国内で会ったというなら、米朝の協議はそうとう進んでいるとみるべきだ。

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(画像=Thinkstock/GettyImages)

この見方を裏付けるように、安倍首相との会談の冒頭でトランプ大統領は米朝首脳会談について「極めてハイレベル」な高官による調整を進めていると述べた。27日に開かれる予定の南北首脳会談にも言及し、「韓国と北朝鮮が戦争状態を終結させる話し合いに臨むのを私は支持する」との認識を示したという(日経電子版)。これは韓国と北朝鮮の両首脳が「軍事的緊張緩和と軍事対決終息を推進する」という合意文を27日の会談共同宣言で表明することに関しての発言だろう。韓国外交要人筋として文化日報が伝えている。

日米首脳会談では、日本の拉致問題についてもトランプ大統領は「日本のために最善となるようベストを尽くす」と応じたと伝わる。

無論、予断は禁物だが、朝鮮半島を巡る情勢が一気に融和ムードに動く可能性がある。今日の日本株式市場の上昇の背景は、米国株高、米企業好決算、中国の外資規制撤廃などと解説されているが、僕は北朝鮮問題の進展が実は大きいと思う。東アジアの地政学リスクの後退は、グローバルな資金配分の観点から日本株の割安さに目を向けさせる材料になるだろう。

今週のマーケット展望で述べたが、日経平均は一目均衡表の雲の下限に頭を抑えられることなく、雲の中に突入してきた。このまま雲を抜け切れば上値は軽く、再度年初来高値も視野に入る。決算発表シーズンというタイミングもいい巡り合せである。

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(画像=マネックス証券)

200日移動平均が完璧なサポートになっているファナックなどエントリー・タイミングだろう。同様にキーエンスも底が入った感がある。

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(画像=マネックス証券)

悪材料が報じられてもそれほど下げないホンダ、逆に上がっているソフトバンクなどを見ると地合いはかなり締まってきた。TDKが大幅高で1万円の大台を回復している。日経平均への寄与が大きいだけに、日本株相場が年初来高値を再びトライするための鍵となる銘柄だ。

広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

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Source: 株式投資
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