「クレヒス」をよくするカード利用のコツ クレカを賢く使う
「クレヒス」をよくするカード利用のコツ クレカを賢く使う
「クレヒス」とはクレジットカードヒストリー(利用履歴)に記載された個人の信用情報のことで、カード会社や金融機関が審査を行う際の目安だ。引き落としの遅れや延滞などがあった場合は傷が付く可能性が高い。それ以外にもクレヒスに悪影響を与えかねないケースもある。
クレヒスとは「個人の信用力」が分かる重要な情報
クレジットカードの入会審査では年収や職業、社会的地位といったさまざまな属性情報以外に、客観的事実を積み上げたクレヒスが重要な判断材料となる。クレヒスは「信用力の証」といえるだろう。どの会社のどんな種類のカードにいつ入会し、いつ解約しているか、カード利用後に返済の遅れや延滞がなかったかなどの情報がクレヒスから分かるからだ。
個人がクレジットカードを申し込んだ場合、カード会社はその人の属性情報をはじめクレヒスを確認したうえで入会の可否を決める。問題なければ個人の信用力が評価され審査はパスする可能性が高いが、支払いの遅れや延滞などマイナス情報があった場合は審査に通りにくくなる。
カード会社や信販会社などの金融機関は、個人のクレヒスを確認できる個人信用情報機関に入会していることからいつでも参照が可能で、クレヒスの良し悪しは個人の信用力を判断するうえで重要なデータとなる。
クレヒスのチェックはカードの申し込み時だけでなく、車や住宅などのローンを組む時にも影響する。金融機関はまずクレヒスを確認したうえで融資が妥当かどうかを判断し、融資可能金額を決める。
このような人生の大事な場面を見据えて、日頃からクレヒスを通じて信用を積み上げることが大切だ。カードやローンの審査に強みを発揮するクレヒスの内容を良くすることは、自分の心がけや努力次第で可能になるため、ぜひ意識して実行して欲しい。
クレヒス内容を良くするカード利用法
優良なクレヒスを積み上げるためにはどうしたらよいのだろうか。答えは明確で、まずは1日たりとも支払いが遅れないように、きちんと支払いを続けることが最も重要である。買い物をしたら次の引き落とし日に確実に支払えるよう口座に入金しておくことや、分割払いなどを選択している場合は、毎月決められた金額が引き落とせるように余裕を持った入金計画を心がけるようにしたい。
支払うべき金額を毎月きちんと支払っているかどうかは、「この人は約束を守れる人か」という個人の性格や習性などを推察できる材料となるため、個人の信用力に大きな関わりを持つ。
次に、自分が毎月支払える範囲で構わないので、できるだけカード利用を増やすことだ。クレジットカード会社の収入源はカード利用の際の手数料。金額はあまり多くなくても定期的に使ってくれる会員は有難く、利用する回数や金額が今後増えていく可能性もあると考える。長期間にわたり定期的にカードを使えば、利用金額も積み上がり優良な履歴として残る。
そのための賢い方法は、電気やガス、水道などの公共料金の引き落としにクレジットカードを利用することだ。毎月の固定料金引き落としは優良顧客のバロメーターの一つともいえるだろう。
また携帯電話やスマートフォン利用代金の支払いもいいだろう。毎月携帯電話会社に納めている機器本体の分割払いと毎月の使用料金をカード引き落としにするだけで、一定料金の利用とみなされる。
たとえば、ドコモ のスマートフォン本体を購入した際にNTT ドコモと割賦販売契約を結び、同社が発行するdカードで毎月支払うというような形が挙げられる。毎月の使用料も同様にdカードによる引き落としを選択すればよい。dカードは初年度年会費無料で、前年度中に1回でも携帯電話利用代金支払いがあれば2年目以降も1,250円(税抜)の年会費は無料となる。
特にショッピングなどしなくても、コンスタントに毎月利用履歴を積み上げられる手軽な方法といえるだろう。もちろんドコモに限ったことではなく、他の携帯キャリアでも同じような方法を取ることができる。
クレヒスの内容を良くするには、クレジットカードの長期保有も有益な手法といえる。カードを長期間保有しそれなりに利用している人は、一定の返済能力があって健全であると判断されやすい。長期にわたってカードで公共料金や携帯電話利用料金を支払っていたり適度なショッピング利用があり、かつ滞りなく決済していたりすれば、メインカードとして利用している可能性も高いと判断され、優良な履歴が積み上がっていく。
クレヒスに悪影響を及ぼすのは度重なる解約や多重申し込みなど
クレヒスに最も悪影響を及ぼすのは引き落としの遅れや延滞。この点を注意してきっちりと守りたい。公共料金や携帯電話料金といった固定料金の引き落としはクレヒスに良い影響をもたらすと述べたが、口座の残金不足で遅延や延滞を引き起こしてしまえば元も子もない。
中には引き落としの遅れや延滞以外にもクレヒスのマイナス要因となることがある。カード会社に歓迎されないのは、短期間での度重なる解約や多重カードの申し込みといった行為が挙げられる。
短期間における解約繰り返しのほうから触れてみよう。個人が保有するクレジットカードの枚数が増え、各社の顧客獲得競争は激化している。その結果、高額な金券や景品、ポイントなどで勧誘する動きが目立つ。会費も初年度無料としているカードが増えているため、申し込みする側から見ればかなりお得といえよう。
一方でカード会社側からすれば、こういった会員の獲得費用への投資はその人に今後会員としてカードを利用してもらい、自社の利益に貢献してもらうためのものである。それにもかかわらず、初期投資をして会員になった人が特典だけ入手してカードを使わず翌月や数カ月後に解約されたら損失だけが生じてしまう。短期間での解約が必ずしもクレヒスに悪影響を及ぼすとはいえないものの、1年間で数件というような解約は控えたほうが望ましい。
さらにカード会社が度重なる短期解約以上に重視するのが、短い期間での極端に多い入会申し込みだ。申し込み回数も個人信用情報機関で確認できるので、短期間であまりにも多くのクレジットカードを申し込んでいると不審に思われる。こちらについては特典狙いというよりも、多重債務や自己破産の可能性を疑われやすい。
こういった短期間での相次ぐ解約や入会申し込みを行う人に関しては、当然ながらカード会社は通常以上に個人のクレヒスを重視することになる。結果的に入会審査に通らなくなる可能性も高く、個人信用情報の軸であるクレヒスは悪化する。
個人信用情報機関はどう関わる?
クレジットカードを保有すると、カード利用に関するさまざまな情報が複数の個人信用情報機関に原則として毎月反映され、更新される。通常、カード会社や信販会社、消費者金融会社などの金融機関はこうした個人信用情報機関に加盟しているため、入会審査や与信を実施する際には個人を特定して照会できる。
たとえば個人信用情報機関の一つである株式会社シー・アイ・シー(CIC)では、属性をはじめとする個人の基本情報のほかに、クレジットカードの契約や解約、カードの種類、支払限度額、貸付額、支払状況、延滞・破産などさまざまな信用情報を保有している。カード会社などCICに加盟する金融機関が自社会員の情報をそれぞれ提供しているわけで、会員であれば各社とも容易に個人の信用情報を確認することができる。
仮に1枚のカードで延滞を引き起こしてしまった場合でも、その情報は各カード会社が共有・確認できることから、他カードの入会審査に響くとともに、クレヒスにも傷が付く可能性もある。クレジットカードの利用情報は解約後も5年間は照会できるのだ。
身の丈に合った使い方でクレヒス内容を良くする
こうして確認していくと、優良なクレヒスを構築していくには特別なことをする必要がないことが分かるだろう。手持ちのカードを毎月1回程度無理なく利用しながら、使った分はきちんと支払うということさえしていれば問題はない。金券・景品狙いが目的で短期間でむやみに解約したり、常識を越えるような大量のカードを申し込んだりしないということも、知っておきさえすればよい。
またリボ払いを多く使ったり、限度額に近いキャッシングをしたりしないことも心がけよう。カード会社は個人の年収などもだいたい把握しており、返済に無理が生じる可能性については敏感だ。カードを利用する側ではなく、利用される側からの目線で考えることも重要である。
カード会社にとってはその人を「信用できるか否か」が重要なポイントであり、その判断基準としてクレヒスを重視しているのだ。とはいえ、あまり難しく考えなくても無理のない範囲で自分の身の丈に合った使い方をしていれば、クレジットカードのクレヒスは必然的に良くなっていくと知っておこう。(ZUU online編集部)
Source: 株式投資