老後資金はいくら必要?シミュレーションで判明する老後破産のリスク

老後資金はいくら必要?シミュレーションで判明する老後破産のリスク

高齢化によって、定年後の生活時間が数十年もの長期に及ぶようになりました。これだけの時間を年金だけで過ごすとなると、お金が足りるのか心配になるのも当然でしょう。しかし、「具体的に老後資金がいくら必要になるのか」考えている人はそれほど多くありません。今回は、老後資金のシミュレーションや、老後資金の対策方法の考え方について解説します。

意外とやっていない「老後資金の必要額」の計算

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(写真=beeboys/Shutterstock.com)

老後破産に不安を覚える人は多い傾向ですが、実際に「老後の生活費はいくら必要なのか」「老後までにいくらお金を貯めればよいのか」を把握している人はどれほどいるのでしょうか。老後の経済的な不安のかなりの部分は、「いくら必要か分からない」「将来よくないことが起こりそう」などといったあいまいさから来ているところがあります。

したがって、不安な老後を過ごしたくない人は、まず老後資金のシミュレーションを行う必要があります。次に現在の保有資産を棚卸しして、「自分がどれぐらいの預貯金を持っているのか」を可視化します。そうすれば、「いつまでにいくら貯めればよいのか」が分かるでしょう。

あいまいな不安を具体的な課題として浮かび上がらせ、課題を解決するための目標を設定し、それに向けて粛々と行動することが大切になります。老後に向けた対策を進めるには、このプロセスをたどるほかないのです。今回紹介するシミュレーションは、不安を課題に変えるための最初のステップとなります。

シミュレーションで分かる「老後破産」のリスク

シミュレーションは、統計データを参照しつつ自分で計算する方法と、インターネット上にあるシミュレーション用ツールを利用する方法があります。自分で計算する場合には、厚生労働省の「家計調査年報」のように公的機関が実施している統計調査のデータを利用するとよいでしょう。なぜなら、公的機関の統計調査のほうが、標本数や抽出方法など、方法論的に信頼できることが多いためです。また、無料で閲覧できるので、手軽でもあります。

シミュレーション用ツールは、ホームページ上でもさまざまな金融機関が用意しています。個人の運営するWebサイトやブログでも、簡単なツールを用意していることもあります。多くの場合、現在の収入や将来の年金給付額・支出額(生活費その他)、年齢などを入力して、「将来どれぐらいの金額が必要になるのか」「どれぐらい不足しているのか」を一瞬で確認可能です。

自力で計算するのも問題ないのですが、手間を短縮するためにもツールを利用するのがおすすめです。必要な数字を入力するだけで、一瞬で具体的な数字を返してくれます。手っ取り早く老後の不安を具体的な「金額」として見たい場合は、これで十分でしょう。

より詳細なシミュレーションをしたい場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)や資産運用会社、税理士などの専門家に相談するのがおすすめです。手持ちの資産や負債、収入と支出をベースに、確かな数字を見せてくれるでしょう。

あなたの資産形成は大丈夫?老後に向けた資産運用

シミュレーションで計算すると、意外な結果になることが多いものです。思ったより危機感を覚える結果であったり、思ったほど危機的ではなかったりと、事前の不安とは良くも悪くもずれているはずです。客観的な現実を把握したら、「後は足りない部分をいかに埋めるか」について方法を考えるだけです。たとえば、貯金額を月10万円にしないといけないことが分かったのなら、それだけ貯めるために支出を抑える方法と収入を伸ばす方法を考えることになります。

支出を抑えるためには、まず固定費の見直しから入るのが一般的です。家賃や通信費、光熱費など、「削れる部分がないか」を検討します。特に、金額の大きい家賃の見直しが効果的な節約につながるケースは少なくありません。収入を伸ばすには、本業をがんばるか副業を始めるのが有効です。自営業や個人事業主をのぞいて、一般的な会社勤めをしている人なら、給料が短期で急にアップするのを望むのは難しいかもしれません。

それであれば、副業を始めて月数万円でも稼げるようになるのが貯金額アップの道となります。また、貯金だけでなく資産運用を始めるのは有効です。長期的な視点で、投資する銘柄やタイミングを分散させることにより、元本割れのリスクを抑えることができます。

一気に退職金を投じるのではなく、少額ずつ投資することが初心者向けの運用方法といえます。要は、必要な額を決めてそれに向けて資産形成をすることです。老後破産を防ぎ、老後への経済的な不安を解消するには、いち早く具体的な課題を捉えて行動するしかありません。(提供:Incomepress

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Source: 株式投資
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