なぜ、小僧寿しの株価は「1カ月で60%も上昇」したのか?

なぜ、小僧寿しの株価は「1カ月で60%も上昇」したのか?

4月最終週の東京株式市場は堅調に推移した。為替の円安、韓国と北朝鮮の首脳会談、海外投資家の買い等を後ろ盾に強気ペースの展開となった。4月27日の日経平均株価の終値は前週末比305円63銭高の2万2467円87銭で、週単位では5週連続の上昇となっている。

相場格言に「セル・イン・メイ(株は5月に売れ)」があるが、日経平均株価が2万2000円台前半をベースにさらなる上値を追うのか、それとも利益確定の売りに再び2万2000円を割り込むのか注目されるところだ。

ジャスダック「4月の上昇率」上位10銘柄

小僧寿し,株価
(画像=ZUU online 編集部)

それでは、今回はジャスダック市場の「4月の上昇率」ランキングをみていこう。

(1)小僧寿し 122円 +60.53%
(2)ネクスグループ 576円 +49.22%
(3)ジャストプランニング 2860円 +47.04%
(4)佐藤食品工業 2427円 +42.76%
(5)日本プリメックス 1206円 +40.07%
(6)プロパスト 312円 +32.77%
(7)五洋インテックス 309円 +32.05%
(8)SHINPO 1752円 +29.68%
(9)麻生フオームクリート 703円 +25.99%
(10)キャピタル・アセット・プランニング 5360円 +25.23%
※銘柄、証券コード、株価(27日終値)、上昇率。

4月最終週の日経ジャスダック平均株価は27日を除く4日間で上昇、東証マザーズ指数は5営業日連続高となった。日経平均株価が上昇し、全体相場が上向いたことで新興株式市場にも底入れムードが広がり始めたようだ。

上記ランキングでは上位5銘柄が40%を超える上昇率を示している。業種別では、卸売業と情報・通信業が各2銘柄、小売業、電気機器、食料品、不動産業、金属製品、建設業が各1銘柄となった。業種の偏りは見られず、独自材料を手掛かりとした個別物色の買いが先行したようだ。

小僧寿し、上昇率「60.53%」でランキングTOPに

今回は上記ランキングから、小僧寿し、ジャストプランニング、佐藤食品工業を取りあげる。

小僧寿しはテイクアウトの寿司店等を運営する企業。フランチャイズ展開する「小僧寿し」のほか、激安立ち食い寿司の「鉢巻太助」、子会社の茶月東日本が運営する「茶月」、ラーメン店の「麺屋黒琥(めんやくろこ)」などがある。

4月22日、日本経済新聞は「飲食店のフランチャイズチェーン運営のアスラポート・ダイニングが小僧寿しなど2社と業務提携し、弁当などの宅配事業を拡大する」「小僧寿しが発行する4億円分の新株予約権付社債(転換社債)を引き受け、小僧寿しが現在の約260拠点から今後3年で30拠点出すのを後押しする」と報じた。このニュースを受けて株式市場では、個人投資家を中心に小僧寿し株の買いが活発化した。

アスラポート・ダイニングは小僧寿しの筆頭株主。翌23日には、小僧寿しからも正式に「4億円の転換社債型新株予約権付社債の発行」について発表がなされた。新株予約権がすべて行使された場合、アスラポート・ダイニングの持ち株比率は13.76%から26.88%に拡大する。

今回の発表で小僧寿しの株価は20日終値の78円から、26日には161円の高値まで約2倍に急騰する場面も見られた。その後は利益確定の売りに押されたが、それでも4月の上昇率は「60.53%」に達し、今回のランキングでTOPとなった。

ジャストプランニング、KFCの新システム導入を好感

ジャストプランニングは東京都大田区に本社を置く情報システム開発会社。外食業界におけるコンピュータシステムの開発・販売や、店舗システム・本部システムに関するコンサルティングシステム導入及び運用支援を展開している。

4月24日、ジャストプランニングの子会社のプットメニューとボクシーズが、ケンタッキーフライドチキン(KFC)の2店舗でオーダーシステム「Putmenu(プットメニュー)」を試験導入すると発表した。「プットメニュー」は、外食店でスマートフォンを使って注文するシステム。混雑するレジに並ばなくても注文が完結することから、集客増加につながると期待されている。

ジャストプランニングの4月の上昇率は「47.04%」となり、今回のランキングで3位となった。

佐藤食品工業、業績上方修正への期待で買われる?

佐藤食品工業は愛知県小牧市に本社を置く食品加工会社。1954年設立の歴史ある企業で、茶エキスや植物エキス、天然調味料などを製造・販売している。

2月2日、佐藤食品工業は2017年4~12月までの業績が増収増益となったことを明らかにした。緑茶エキスやほうじ茶エキス、粉末魚介の天然調味料などが好調だった。同社は2018年3月期の通期業績を据え置いているが、2017年4~12月までの業績が好調だったことから上方修正への期待は高く、そうした期待が個人投資家の物色買いを呼んでいるようだ。


Source: 株式投資
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