はじめての投資信託は「ローリスク」な商品から
はじめての投資信託は「ローリスク」な商品から
投資信託を始める際、資産運用リスクを必要以上に怖がる人も多い。資産が大きく減るかもしれないと躊躇する人も少なくないだろう。しかし、一口に投資信託といっても、投資先はどんな構成なのか、どこの国を対象にしているかなどにより、当然リスクの度合いは違ってくる。
投資信託を買う際に、金融商品のリスクを見分けるためには、どの項目を見れば良いのか、またそのリスクを抑えるにはどうすれば良いのか、今回は投資信託を始める際に覚えておきたいことについて紹介する。
株式中心か、債券中心か
現在、日本で公募型の投資信託は約6,000本あるが、投資対象を大きく分けると、「公社債投資信託」と「株式投資信託」に分かれる。
公社債投資信託は、主に国債や社債などの公社債に投資する投資信託で、基本は安定的な運用を目指すものが多い。元本割れのリスクは小さいものの、その分リターンは低くなる。
一方、株式投資信託は、株式を組み入れて運用を行う投資信託である。これは、株式ばかりではなく、債券や短期金融商品も対象になる。大まかな判断基準としては、株式の比率が多いほどリスクが高くなると考えれば良いだろう。
株式投資信託の場合、株式の組入れ率に応じて名前が決まっているものもある。たとえば、バランス型と呼ばれるものは、株式と公社債等で運用されているが、株式の組み入れ限度は70%未満と決められている。また、株式投資信託という分類でも、転換社債型といわれるものは、株式の比率は30%以下で、主に転換社債(現金以外に株式で請求できる社債)で構成されている。
国内の商品中心か、海外の商品中心か
投資対象によっても運用リスクは異なる。対象としている国・地域としては、大きく国内(日本)か外国かに分けられる。また、海外と一口にいっても、アメリカやヨーロッパなどの先進国か、アジアや中南米といった新興国かでも、負うべきリスクは異なる。
外国の投資信託は、国内のものに比べてリスクは高いとされている。これは、投資信託の値動きだけでなく為替の変動の影響も受けるためである。また、新興国の投資信託は、先進国のものに比べて経済状況も変わりやすく、通貨の変動も激しいため、高いリターンを期待できる反面リスクは大きい。このように、その投資信託がどの国の商品で構成されているかは、投資信託を選ぶ際に重要な要素となる。
前章で紹介した株式と債券の分類を踏まえると、一般的にリスクが低い順に並べると、国内公社債投資信託、外国債券投資信託、国内株式投資信託、外国株式投資信託の順番となる。最後の外国株式投資信託は、リスクが最も高いがリターンも一番期待できる商品である。
時間で分散することも大切
投資を始める際は、売買するタイミングでリスクを抑えられることも覚えておこう。まず、売るタイミングだが、これは運用期間を長く設定すればするほど、リスクを抑えることができる。
たとえば、ある投資信託の商品を買ったが、その後にその商品の価格が大きく下がってしまった場合、それをすぐ売らなければならない状況だと損失が大きい。しかし、長期でその商品を保有できる場合、価格が回復するのを待つことができるうえに利益を狙うこともできる。投資などに回すお金は、すぐ売らなければならない状況になりにくいお金、つまり「余裕資金」で行うことが大切だ。
次に、買うタイミングだが、これも時間で分散するメリットは大きい。たとえば、100万円の資金がある人が、ある投資信託を買う場合、一度に100万円分買ってしまうと、先ほどの例と同じく、その時点が高値だった場合は利益を出すのが難しくなる。しかし、同じ100万円でも、はじめに20万円分買い、半年おきに20万円ずつ2年間に渡って買うと、極端に高値買いするリスクは減るだろう。
買うタイミングの分散として、「ドル・コスト平均法」という理論がある。毎月一定額をコツコツ買い続ける投資法だが、高値買いを防ぐ有効な手法でもある。
投資信託は、その数の多さから敬遠されることもあるが、ローリスク・ローリターンのものからハイリスク・ハイリターンのものまで、幅広い選択肢がある。そのため、自分に合った商品を見つけやすいというメリットがある。自分がどれだけの損失を許容できるのかをよく考え、まずはローリスクなものから資産運用を始めてみてはいかがだろうか。(提供:確定拠出年金スタートクラブ)
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Source: 株式投資