米雇用統計は強弱混じった結果で株式市場に追い風、ドル円は108円台を目指す展開か?
米雇用統計は強弱混じった結果で株式市場に追い風、ドル円は108円台を目指す展開か?
金曜日の海外時間には、発表された米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想の20万人増に対し31.3万人増と大きく上回ったことからリスク選好で円売りが強まりました。しかし週末から今日にかけて、森友学園問題で財務省が文書の書き換えを認めると報じられて円買いが強まっています。
今後の見通し
金曜に発表された米2月雇用統計は、非農業部門雇用者数が2016年7月以来の30万人越えとなる31.3万人増と非常に良い結果になりました。一方、失業率と平均時給の伸びは予想をやや下回る結果となりました。その結果、金利引き上げ加速の懸念が強まらない中株価が上昇しました。週明けの東京市場でも日経平均は300円以上の上昇となっています。一方為替市場では、週末からの森友問題に絡む公文書の書き換えを財務省が認めるとの報道で、安倍首相の支持率が下げっていることを材料にした円買いが強まっています。今後、麻生財務相の辞任や、財務省の大きな組織改編に繋がる可能性も指摘されていて、アベノミクスが後退するのでは、との懸念になっているものと考えられます。しかし現在までの報道では、安倍首相は麻生財務相に責任はない、との立場を取っているとされていることから、この問題が拡大して政権が動揺することは今の段階では考えなくても良いのではないでしょうか。
一方テクニカル的には、ドル円相場は先週金曜日の上昇で1月8日からの下落トレンドラインを上抜けたことから107円台後半までの反発が期待されます。
再びドル買い円売り
金曜日には、前日からのドル円の買い持ちを106.80円で一旦利食って、106.50円で押し目買いを目指しましたが、そこまで下がりませんでした。現在の円買いは上記のような理由で長続きしないと予想して106.60円で先ほどドル買い円売りのポジションを作りました。損切りラインを106円割れに置いて107円台後半での利食いを目指します。
金曜日の海外市場動向
欧州時間、米長期金利がやや上昇したことからドル買いが優勢となって、ドル円は106.90円付近まで上昇し、ユーロドルは1.2280付近まで下落しました。
NY時間にはいって米2月雇用統計が発表されると、平均時給の伸びが予想を下回ったことから一旦ドル売りが強まりましたが、非農業部門雇用者数が予想を大きく上回ったことから米長期金利が上昇してドル買いが優勢となって、ドル円は107.00円台まで上昇し、ユーロドルは1.2270台まで下落しました。その後各国株価が上昇する中、ドル売り、円売りが強まって、ユーロドルは1.2330台まで、ユーロ円は131.80円台まで上昇しました。
NY時間午後にはいると、米長期金利が反落したことから円の買戻しが優勢となって、ドル円は106.70円付近まで、ユーロ円も131.40円付近まで下落しました。
週末に、財務省が森友問題で公文書の書き替えを認めると報じられたことから早朝に円買いが強まりましたが、その後日経平均が上昇したことから円売りが強まりました。しかし「政府、森友文書問題で財務省が書き換えを認めるとい与党に報告」と報じられると、再び円買いが強まって、ドル円は朝方の安値を割り込んで106円台半ばの取引となっています。
今日の予定
今日の海外時間にはユーロ圏財務相会合が開催されます。また主要な経済指標の発表などは予定されていません。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp
Source: 株式投資