Peing?Sarahah?匿名の質問箱がSNSに現る!なぜ流行っているの?

Peing?Sarahah?匿名の質問箱がSNSに現る!なぜ流行っているの?

2017年の11月に公開。2018年1月16日には、回答数が1,000万件を突破し月間2億PVの巨大サービスへと成長した匿名型の質問サービス『Peing-質問箱-』(ペイング)。若手起業家として注目を集めるジラフの麻生輝明氏が、同サービスを買収したことでも大きな話題となりました。いったい何故、このような大流行へと繋がったのでしょうか。

匿名質問サービスは他にも

SNS
(写真= ESB Professiona/Shutterstock.com)

『Peing-質問箱-』はTwitterと連携したサービスです。ユーザーが作った質問箱に質問を匿名で送ることができ、募集したユーザーがその回答をTwitter上に投稿して答えるというもの。サービス開始直後は『Peing-質問箱-』の段ボールマークの絵が、タイムライン上を埋め尽くしていました。

たしかに、ありそうでなかったようなサービスの『Peing-質問箱-』……といいたいところですが、実は似たようなサービスがすでに多数存在していることをご存じでしょうか?

公式サイトにもユーザーからの回答として掲載されていますが、本サービスの元ネタのひとつともいえるのが『Ask.fm』と呼ばれる匿名の質問サービスです。また、『Peing-質問箱-』がリリースされる少し前には、サウジアラビアで誕生した『Sarahah(サラハ)』という匿名質問サービスのアプリが、Instagramを中心に世界で大流行。さらには、匿名で好きな気持ちを伝えることができる『ラブレター』というサービスも、質問サービスブームの波に乗るかのように登場しています。

『Peing-質問箱-』は、自称ニートのせせり氏がひとりで開発して生まれたサービスですが、シンプルな構造で低コストで運営できるという点が同様のサービスが数多く誕生した要因のひとつといえます。

Peingヒットの要因は承認欲求?

2017年の流行語大賞に「インスタ映え」という言葉が選ばれました。これはInstagramに、おしゃれで見栄えのいい写真を投稿するのが流行ったことから生まれたものですが、その原動力となっているのが「承認欲求」だといわれています。

この「承認欲求」は、「誰かに認められたい」と感じる感情のことをさしています。「インスタ映え」の場合は、みんなが認めるようないい写真を投稿することで「いいね!」をしてもらい、自分が認められたような気分になるというわけです。

アメリカの心理学者アブラハム・マズローは、自身が提唱する「自己実現理論」の中で、人間が欲求を追い求める心理状態をピラミッド型の5つの階層に分類しています。これは、低次の欲求が満たされるとその上位に欲求のレベルが上がっていくというものですが、その上位から2番目に、この「承認欲求」を位置づけています。

さて、通常のSNSよりも匿名性が高く「ゆるい繋がり感」で人気を博したTwitterですが、フォロワー同士のコミュニケーションを取るきっかけとなるネタに常に飢えているという一面もあります。こちらはInstagramとは少し傾向が異なり、面白い投稿をすることで「いいね」を増やしたりコメントをもらうことで、フォロワーに自分の存在価値を認めてもらいたいという欲求を満たすことができるのです。

ある種、そうした土壌にタイミング良く登場したことが、『Peing-質問箱-』が大ヒットしたきっかけといえそうです。

日本発祥のサービスという安心感も

過去にあった質問サービスと比較して『Peing-質問箱-』が優れている点は、別途アプリをダウンロードしたり、あるいはユーザー情報などを登録する必要がないという手軽さです。

最近はインターネットのリテラシーが向上してきたためか、個人情報の流出などを極端に嫌がる傾向にあります。また、Twitter上には心理テストなどにチャレンジできることをウリに、アプリを連携させてアカウントを乗っ取るといった、悪意のあるユーザーも無数にいます。

『Peing-質問箱-』もアプリ連携が行えますが(Twitterのアカウント自体は無くても利用可能)、よくわからない海外製のサービスではなく日本発祥のサービスという安心感もあり、初めて利用するときの敷居が低く感じられます。また、質問をするほうも、登録不要で匿名で利用できるという気軽さからコミュニケーションが活性化し、その投稿を見たほかのフォロワーたちが自分もやってみたいと思う相乗効果が生まれました。

ちなみに『Peing-質問箱-』を買収したジラフでは、1月より同サービスの海外版『QuestionBox』を世界40ヵ国以上で同時リリースしています。英語圏以外にも多言語化を進めていき、将来的には数百ヵ国でのサービス展開を目指しているそうです。

はたして日本発祥の質問サービスが、海外でどれくらい受け入れられるのか、今後の動向にも注目していきたいですね。(提供:J.Score Style

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Source: 株式投資
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