不動産・住宅系の株主優待、3月権利確定の7社 賃貸仲介料やホテル宿泊割引……
不動産・住宅系の株主優待、3月権利確定の7社 賃貸仲介料やホテル宿泊割引……
不動産や住宅、建設系の株主優待では、不動産賃貸や売買費用の割引や各社が運営するホテルの宿泊割引などが主流だ。そのほか、ゴルフのプレーフィーの割引などを提供している企業もある。記事では3月に権利が確定する株主優待7種類の内容を紹介する(最低投資金額は2018年3月9日時点)。
不動産仲介料や宿泊・ゴルフ場などで10~20%割引 スターツコーポレーション
不動産賃貸・仲介や管理などを手掛けるスターツコーポレーション は、毎年3月末と9月末の2回、権利確定日を設けている。100株以上を同社の株式保有している人を対象に、さまざまなタイプの割引券を贈っていることが特徴だ。
例えば不動産カテゴリでは、スターツグループの不動産サイト「ピタットハウス」での賃貸と売買の仲介手数料が10%割引になるほか、「スターツ笠間ゴルフ倶楽部」(茨城県)や「スターツグアムゴルフリゾート」(グアム)などでのゴルフプレーフィーも20%割引になる。
そのほか充実しているのが宿泊料金や食事料金の割引だ。国内では「ホテルエミオン東京ベイ」(千葉県)や「沖縄ナハナ・ホテル&スパ」(沖縄県)、「湯けむりの里・柏屋」(茨城県)など6カ所で20%割引となり、海外もスターツグアムゴルフリゾートのほか、ロイヤルクヒオ(ハワイ)でも割引を受けることができる。和食料理店の「旬味・京橋本店」(東京都)「旬味市場・葛西店」(東京都)での食事も20%割引で利用することが可能となっている。
優待券はそれぞれ1回使用でき、株主と株主の親族が利用することができる。
【権利確定月】3月末日・9月末日
【単元株数】100株
【最低投資金額】27万8300円
宿泊優待券や3年以上長期保有でカタログギフト贈呈 東急不動産ホールディングス
東急不動産ホールディングス の株主優待は2種類ある。
100株以上を保有している株主に対しては、リゾートホテルで使える「宿泊優待券」や東急ステイなどで利用できる「宿泊共通券」、ゴルフ場やスキー場で使える「スポーツ優待共通券」、東急ハンズで利用できる「買物優待カード」の4種類が贈られる。
この中で東急ハンズでの買物優待カードのみ、500株以上を同社の株式を保有している株主が対象で、3月末日の権利確定分のみの株主優待となる。この買物優待カードは商品価格が割引になるもので、500株以上保有している人は5%、5000株以上保有している人は10%割引になる。
また、3年以上継続的に同社の株式を500株以上保有している人に対しては、追加で別の株主優待を贈呈している。それがオリジナルカタログギフトカードだ。500株以上1000株未満の保有者には2000円相当、1000株以上5000株未満の保有者には5000円相当、5000株以上の保有者には1万円相当のカタログギフトが贈られる。
カタログギフトは、同社グループが運営するリゾートホテルのほか、ゴルフ場やスキー場などの施設で利用できるほか、東急ハンズでの買い物でも使える。
【権利確定月】3月末日・9月末日
【単元株数】100株
【最低投資金額】7万6600円
ロボット商品を割引購入できるユニークな株主優待も 大和ハウス工業
住宅・建設業界の大手企業、大和ハウス工業 では、大和ハウスグループの関連施設200カ所以上で利用できる「株主優待共通ご利用券」を、保有株式が100株以上の株主に贈呈している。
全国のダイワハウスロイヤルホテルズでは宿泊や食事、ダイワロイネットホテルズや大阪第一ホテル、ラ・ジェント・ステイ(ホテル)では宿泊の支払いに利用できるほか、ダイワロイヤルゴルフでのゴルフプレーフィーや飲食、ロイヤルホームセンターでの買い物、スポーツクラブNASの入会金やレンタル料など向けにも使える。
そのほか、株主優待専用のグルメギフトカタログも用意しており、約60種類の商品から希望のものを選べる。また、ユニークな株主優待として注目を集めているのが、同社が販売するメンタルコミットロボット「パロ」を8%割引で購入できるという特典だ。2017年7月からは、会話支援機器「comuoon」も10%割引で購入できる株主優待を追加した。
共通ご利用券の贈呈数は、保有100株につき1枚(1000円相当)で最大50枚(5万円相当)を受け取ることができる。同社がCSR(企業の社会的責任)活動に参加する「社会貢献寄付制度」を活用し、活動の協働団体に優待券の優待相当額を寄付することも可能だ。
【権利確定月】3月末日
【単元株数】100株
【最低投資金額】39万900円
マンション購入費の30万円キャッシュバックや紹介報奨金アップ 大東建託
不動産系の株主優待も用意しているのが大東建託 だ。株主優待の権利が確定するのは3月末日と9月末日だが、3月末日の方が優待内容は厚くなっており、長期に株式を保有している人は追加で株主優待を受けることができる。
3月と9月の年2回適用される株主優待が、大東建託のサービスを利用するときのキャッシュバックサービスや報奨金アップなど。分譲マンションを購入したときや建設工事代金の30万円がキャッシュバックされるほか、紹介報奨金を10%アップする優待も用意している。賃貸仲介手数料が1回無料になる優待券も進呈している。
3月限定で贈呈する優待の1つが全国共通商品券。100株から299株の保有で1000円分、300株から499株の保有で3000円分、500株から999株の保有で5000円分、1000株以上の保有で1万円分が贈られる。
100株以上を1年以上保有している株主に対しては、これまでに紹介した優待内容に加えて、大東建託グループで取り扱っているペットボトルのお茶と天然水を各350ミリリットル24本、全国共通商品券1000円分なども贈る。300株以上を3年以上保有している株主に対してはさらに追加で、ホテル宿泊割引券や全国共通商品券1万円分の贈呈がある。これらはいずれも3月末確定のみが対象。
【権利確定月】3月末日・9月末日
【単元株数】100株
【最低投資金額】179万2000円
仲介手数料・改装工事の割引や自社栽培米の割引販売 長谷工コーポレーション
準大手ゼネコンの長谷工コーポレーション も不動産系の株主優待が充実している。
3月末日に権利が確定する株主優待では、長谷工グループの長谷工リアルエステートでの不動産売買の際に仲介手数料が5%割引される。長谷工リフォームにおける株主優待としては、室内リフォーム工事代金の割引も受けられる。割引額は3%で、100万円以上の工事で適用される。
株主優待の利用可能エリアは、首都圏では東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県、茨城県(仲介割引は対象外)、近畿圏では大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県、東海圏では愛知県(仲介割引は対象外)。
そのほか、子会社のセンチュリーライフと生活科学運営が手掛ける有料老人ホームや高齢者住宅において、1泊2泊食事付きの体験宿泊ができるという株主優待も用意している。日帰り見学の場合でも、昼食付きでこれらの高齢者向け施設を利用できる。
9月確定の株主優待では、同社グループの長谷工あんしんデリが栽培・販売している「たなかみ米」の5キロまたは10キロを100株以上保有している株主が購入する際、20%割引の優待を受けることができる。購入者は米ぬか500グラムの無料進呈も受けることができる。
【権利確定月】3月末日、9月末日
【単元株数】100株
【最低投資金額】15万6000円
自社運営ホテルに特別料金で宿泊可能 サンフロンティア不動産
サンフロンティア不動産 は、オフィスビルやホテルなどの不動産再生事業や賃貸・売買仲介や管理などの不動産サービス事業のほか、ホテルや貸し会議室の運営などを手掛けている。
株主優待では、サンフロンティア不動産が2017年4月に開業した日和ホテル舞浜(千葉県)を特別価格で利用することが可能となっている。客室タイプが「ツイン」「デラックスダブル」「ファミリーフォース」の場合は1室1泊1万円で、2人以上が宿泊する場合は1人につき追加料金3000円で利用することができる。
株主優待券は100株以上を保有している株主に対して1年間で1枚贈呈される。株主優待券は株主本人と同伴者が利用することができる。株主優待券を使って宿泊する場合は、ホテル予約サイトなどを通じた予約は適用外となるため、直接ホテルに電話をして予約することが必要になる。
同社は株主向けのウェブサイト内ページで「今後当社にて新規開発・運営するホテルにつきましては、随時優待対象としていく予定です」としている。
【権利確定月】3月末日
【単元株数】100株
【最低投資金額】11万7400円
会社創立50周年で優待割引をプラス1% ミサワホーム
ミサワホーム は2017年10月1日に創立から50周年を迎えた。株主優待制度では現行の株主優待に加えて、創立50周年に合わせた特別優待内容も用意している。
現行の株主優待では、工業化住宅においては戸建住宅で建物本体価格の3%、賃貸住宅で1%、分譲住宅で3%の割引、従来木造住宅では戸建住宅と賃貸住宅で工事請負価格の2%、分譲住宅で建物本体価格の2%の割引をそれぞれ提供しているほか、リフォーム工事料金も3%割引している。
創立50周年の特別優待では、これらの割引率が1%加算される。対象となるのは2018年3月末確定分となっている。
【権利確定月】3月末日・9月末日
【単元株数】100株
【最低投資金額】9万4000円
(岡本一道、金融・経済ジャーナリスト)
Source: 株式投資