iDeCo(イデコ)を利用したら会社員でも確定申告が必要?
iDeCo(イデコ)を利用したら会社員でも確定申告が必要?
2018年1月から始まったつみたてNISAとよく比較され、注目が集まっている個人型確定拠出年金(通称iDeCo)だが、大きなメリットの1つである所得控除を受けるためには、会社員でも年末調整や確定申告が必要なケースがある。本コラムでは、所得控除を受けるために必要な手続きについて紹介する。
事業主払込か、個人払込か
会社員は、iDeCoの掛け金を「事業主払込」にするか「個人払込」にするか選ぶ必要がある。
「事業主払込」とは、会社員が所属する事業主を経由して、国民年金基金連合会に掛金を納付する方法だ。具体的には、事業所が社員の給与から天引きをしたうえで、事業所の口座から口座振替で掛金の納付を行う。
「個人払込」とは、会社員の本人名義の口座から、口座振替で国民年金基本連合会に掛金を納付する方法をいう。
事業主払込のメリットには残金不足になる心配をしなくても良いことが挙げられる。これは、あらかじめ事業主側が給与から掛金を引いてくれることによる。個人払込の場合では、掛金の引き落とし時に口座の残金が拠出額以下の場合は拠出が止まってしまう。また、年末調整の際の手続きは会社側が行うため、会社員は何もしなくても良いというメリットもある。
ただし、事業主払込の体制が整っていないところもあるため、個人払込を利用している人も多い。また、事業主払込を利用している人は、掛金の変更の際には会社側に報告しておいた方が良いだろう。
個人払込のメリットとしては、掛金の変更や転職による手続きの柔軟性が挙げられる。たとえば、給与の支払い元が変わる場合、iDeCoを続けるには「加入者登録事業所変更届」を提出しなければ掛金の拠出が止まってしまうが、個人払込の場合であれば個人の口座から引き落とされるため、「加入者登録事業所変更届」を提出する必要はあるが、掛金の拠出が即座に止まってしまうことはない。
ただし、個人払込をしている人は、年末調整の際に手続きが必要となる。
個人払込の人は証明書を提出する必要がある
iDeCo加入時に掛金の払込方法を個人払込にした人は、年末調整のときに自分で申告する必要がある。
記入するのは「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」だ。この申告書の、「小規模企業共済等掛金控除」欄の「個人型または企業型年金加入者掛金」の項目に、その年支払った掛金と12月までに支払う予定である掛金の合計額を記入する。
毎年10月以降、国民年金基金連合会から「小規模企業共済等掛金払込証明書」が送られてくるため、これを添付して事業所に提出しよう。また、年末調整終了後、会社から受け取る「源泉徴収票」では、iDeCoの掛金は「社会保険料等の金額」の項目に含まれているため、混乱しないように注意が必要だ。
年末調整を忘れたら確定申告をする
会社員の中には、税金に関してそれほど詳しくない方も多いだろう。iDeCoを始めてはみたが、所得控除してもらえると知らずに年末調整をしなかった人もいるかもしれない。また、iDeCoを開始する時期にもよるが、小規模企業共済等掛金払込証明書が届くのが翌年以降になる場合がある。
その場合は、確定申告をする必要がある。
年末調整の場合と同様に、国民年金基金連合会から「小規模企業共済等掛金払込証明書」が送られてくるので、これを保管しておこう。その後、「確定申告書A」を取り寄せて、「小規模企業共済等掛金控除」の欄に必要事項を記入し、上記の「小規模企業共済等掛金払込証明書」と源泉徴収票を添付して税務署に提出すれば良い。さほど難しい作業ではないので、忘れずに手続きをしよう。
今回紹介したように、会社員が確定申告をする必要があるのは、年末調整を忘れた場合か、もしくは「小規模企業共済等掛金払込証明書」が送られてくるのが遅れた場合である。
iDeCoの掛金は全額所得控除の対象となり、その節税メリットは非常に大きい。また、翌年の住民税の負担も軽くなる。年末調整も確定申告も、それほど手間がかかるものではないので、忘れずに申告しておこう。(提供:確定拠出年金スタートクラブ)
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Source: 株式投資