北朝鮮を巡る地政学リスクが後退、FOMC水準である106.60円を上抜け、次なるターゲットは2/21高値107.90円へ

北朝鮮を巡る地政学リスクが後退、FOMC水準である106.60円を上抜け、次なるターゲットは2/21高値107.90円へ

昨日の海外時間には、朝日新聞が北朝鮮関係筋の話として「6月初めにも日朝首脳会談の開催がありうる」と報じると、北朝鮮リスクが後退しリスク選好の円売りが主導する動きになりました。明日30日がグッドフライデー、4/2がイースターマンデーと海外の大型連休を控えていることもあり、持ち高調整の買い戻しが入ったこともドル円を中心としたクロス円の後押しになったと思われます。米・第4四半期GDP(確報値)が市場予想2.7%から2.9%に改善したことも、プラス材料として捉えられドル円は一時107円台を示現し、107.008円(当社レート)まで続伸しました。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

佐川元国税庁長官の証人喚問をリスク要因とならずに通過し、米中貿易戦争懸念も大幅に後退、リスク選好地合いが強まるなかで北朝鮮の地政学的リスクも後退となると、これまでリスク回避の円買いが強まっていたこともあり、買い戻しの動きが強まるのではないでしょうか。

例え悪い経済報道があった際でも、マーケットが日本の政局及び米中貿易戦争に関するニュースに慣れつつあり、実際の経済のファンダメンタルズに沿った相場展開に戻りつつあるように見えます。実際の経済に目を向けると、前日発表された米・第4四半期GDP(確報値)が市場コンセンサスを上回る内容だったように、堅調な米国経済が好感され、更なるドル買いに向かう可能性がありそうです。

米国は明日に祝日(グッドフライデー)を控える中、本日米国債市場は短縮取引となります。引き続き、これまでのドル売りポジションの解消が強まるようであれば、ドル円はもう一段高になりそうです。また、今週末を挟んで余程の悪いニュースがない限りは、新年度入り後は暫く反発基調を辿る可能性が高いと考えています。

ドル円の105.30円台の買いポジションキープ、目標は107.90円

ポイントであった3月安値のドル円105.30円台での買いポジションはキープ。FOMC発表後の106.60円の水準を上抜けたこともあり、次なるターゲットは2/21高値107.90円、また利食いの目標も107.90円に設定します。手仕舞レベルに関しては、心理的節目でもある106.00円の大台を下抜ける水準に利食いのストップを設定します。

昨日の海外時間動向

欧州時間序盤、海外の大型連休を控えていることもあり、これまで売られ過ぎていたドルの買い戻しが入り、ドル円は106円台を回復しました。NY勢参入後、米・第4四半期GDP(確報値)が市場予想2.7%から2.9%に改善したことで、ドル円は106.30円付近まで上げ幅を拡大し、ユーロ円は131.705円(当社レート)まで高値を更新しました。

ドル買いが強まるなか、ユーロドルに関してはドル買いユーロ売りの動きが強まり、1.2335ドル付近まで押し戻され、ユーロ円も131円の大台を割り込みました。しかし、、ボスティック・米アトランタ連銀総裁が、「物価目標達成へ多くの兆候、中立金利復帰望む」等と発言したことが好感され、ドル円を中心としたクロス円は再び上昇し、106.45円付近まで上げ幅を拡大。ユーロドルは断続的な売りに押され、1.23ドル台前半まで下げ幅を拡大しました。

今日の予定

本日は欧州時間に独・3月失業率、英・第4四半期経常収支、英・第4四半期GDP(確報値)などが予定され、NY時間では米・2月個人所得/米・2月個人支出、米・新規失業保険申請件数、米・3月シカゴ購買部協会景気指数、米・3月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)など多数の経済指標が予定されています。また、ハーカー・米フィラデルフィア連銀総裁の講演が控えています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp


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